書の道 一日一歩

9月 噛み合わせ

お師匠様が「切るように(斬るように)書きなさい」と言われる。それがどういうことか、わかってきた気がする。揮毫パフォーマンス(テレビ)で紙に筆をぐりぐりとめり込ませるようにしているのを見たことがあるが、半紙に書くときもあれが必要なのだと思う。筆を半紙に沈めるというか、紙と筆先の摩擦の加減が絶妙で筆と紙が噛み合っている状態で書くと強い点画になる。長い縦画は、おおかた真っ直ぐ書けないが、筆と紙が噛み合えばどこまでも真っ直ぐな線を引ける。

摩擦の加減は、紙と墨によって違ってくる。ザラザラした紙は、墨がすぐに染みて噛み合いやすい。ツルツルした紙は、墨がある程度まで紙に染みるのを待って噛み合わせる。墨の濃度や分量も影響してくる。(夏は蒸発が激しくて硯の墨がどろどろになる。お師匠様に言われるまで水で薄めるという発想がなかった(涙)。夏の紙は湿気があるそうだが、あまり感じない。冬になると紙の乾燥を感じるかもしれない。楽しみだ。)
噛み合わせ具合は筆によっても異なるのかもしれないが、今のところあまり感じない。
新型コロナのまん坊(まん延防止等重点措置)の影響で教室はお休み。自主トレに励む。

7月 書きたいことがある

8月末締めきりの昇級試験を受けることになり、同じ文言の楷書、行書、草書の計三枚の半紙を提出すべしで稽古に励んだが、書いている文言の意味がわからない。お師匠様もわからないとのことで、どうして会報のお手本に意味を書いておいてくれないのだろうと思いつつ、自分で調べもしなかった。あまり気持ちのよろしくないことだ。

臨書用に買った本には、巻末に訳があったり、訳はなくてもページの端に読み下し文があったりで、ふむふむと思いながら稽古をしている。書いてあることの意味は大切でしょう。展覧会などで文字自体が読めなくてイラっとしたり、読めても中国語だから意味がわからず詰まらなかったりの経験を積んでいると、書より絵の方が断然面白いと思ってしまう。それでも言葉は最大の発明で最高の道具だと思ってきたので、私におあつらえ向きの趣味だと気がつき入門して本当に良かったと思った。そして、書きたい言葉があることにも気づいた。今はそれをどう書くのかイメージできないけれど、いろんな書に触れるうちにイメージも出来てくるだろう。

6月 臨書

5月 バネ

筆にバネがあることを知った。起筆でバネを生かす。収筆も次画の起筆へ向けてバネを生かす。筆の腹ばかり使うとバネが生かせない。穂先をS字型に曲げるとジャンプできる。

4月 入門

書道教室に通い始めた。月3回の全集中。帰りはスッキリ。スポーツをした後のようだ。
「永」の字が書けるようになった。2画目のハネが、ようよう出来た(ToT)。

#クリント・イーストウッド監督作品オールタイムベスト10

いつか誰かがやると思っていました(^o^)。
103名の投票者ってけっこうスゴいな~。
監督38作品の投票結果は次のリンク先のtwitterスレッドで見ることが出来ますが、ベスト10だけは下に改めて記載しました。

第1位 『許されざる者』 513点 80票
第2位 『グラン・トリノ』 492点 79票
第3位 『ミリオンダラー・ベイビー』 340点 59票
第4位 『ミスティック・リバー』 320点 58票
第5位 『アメリカン・スナイパー』 291点 53票
第6位 『ペイルライダー』 211点 35票
第7位 『ガントレット』 202点 32票
第8位 『チェンジリング』181点 36票
第9位 『運び屋』 176点 41票
第10位 『ハドソン川の奇跡』 171点 35票
次点 『パーフェクト・ワールド』 167点 35票

『許されざる者』、意外と人気なんだ。『アメリカン・スナイパー』と『ガントレット』見てないです。
『チェンジリング』『運び屋』がテンに入っているのが意外。逆に『ブロンコビリー』はテンに入ると思ったのに、近作がやや有利なんでしょうか。
20本くらいしか見てないけど、お茶屋がツイートしたマイベスト10は次のとおりです。カタカナばっかり(笑)。

1 グラン・トリノ
2 スペース・カウボーイ
3 ペイル・ライダー
4 ミスティック・リバー
5 ブロンコビリー
6 ヒア・アフター
7 パーフェクト・ワールド
8 インビクタス
9 ミリオンダラー・ベイビー
10 J・エドガー

10位は 『目撃』にしようか迷ったけど、ディカプリオのフーパーをもう一度見たいと思って。
『グラン・トリノ』は、「うぅ~」と犬みたいに唸る東森さんの演技が可笑しかったな~。
『スペース・カウボーイ』は、月にいるあの人にズームインしていくラストが大好きです。
監督・主演の最新作『クライ・マッチョ』、楽しみですね!

ドライブ・マイ・カー

やっぱり、こういう映画がいいなあ(しみじみ)。179分という長尺を感じさせない端正な作り。生きることの力添えになる作品。
事実を受け入れて自分に正直に生きる。つらいことがあっても死ぬまでは生きる。古今東西の文学作品で書かれてきたことだと思う。きっと映画でも何本も観た。
また、幾重にも面白く、カンヌで脚本賞を受賞したのも納得、見るたびに発見がありそうだ。

妻の音(霧島れいか)の浮気を見て見ない振りをしていた家福(西島秀俊)が、ありのままを受け入れて正直な気持ちを吐露できたのはみさき(三浦透子)がいたからだ。みさきに愛車を任せられないと思っていた家福が運転を絶賛するようになり、次には亡くなった娘が生きていたら同じ年頃と意識するようになり、おしまいでは愛車内でいっしょに煙草を喫するまでになる。愛する者を救えなかった・殺してしまったという共通の思いを抱える二人が、戯曲「ワーニャ伯父さん」のワーニャとソーニャに重なっていく。

高槻(岡田将生):事実を受け入れて自分に正直に生きすぎた。過ぎたるは猶及ばざるが如し。
音の語る物語:左目グサッの衝撃。交歓の乏しいセックスは自慰と同じか。
夫婦模様の欧米化:昔の日本映画では見られない家福夫婦の模様。洋風の生活様式にピッタリ。この何だかおしゃれな感じが村上春樹らしいと思うのは「ノルウェイの森」しか読んでないからか。
「ワーニャ伯父さん」:家福や高槻にグサグサくるセリフの戯曲。
棒読み演技の面白さ:家福がセリフ合わせのワークショップで棒読みを指導する。その意図は述べられないが、映画の登場人物であるみさきと演劇祭の女性スタッフのお陰でとても面白かった。棒読みでも自分を語ってくれるみさきは人物が立体的に見えるが、女性スタッフはよくわからないが凄く面白い人に見えた。
お芝居内の複数言語:異なる言語で一つのお芝居が成り立つことがわかって面白かった。そこに手話も含まれていたのが見識だと思った。
役者の演技:西島秀俊の代表作。マイカー内で高槻の話をじっと聴いている受けの演技と、みさきの故郷で「音に会いたい」と感情を爆発させる攻めの演技がそろって、どちらも良い。
(2021/08/25 TOHOシネマズ高知1)

悪魔のいけにえ

複数の人から別々に「『ソウ』(シリーズ)が面白かった」と勧められても見たいと思わないし、『ウィッカーマン』は好きだけど『ミッドサマー』はウワサを耳にして見に行くのをやめた。『クワイエット・プレイス』でさえ見たくないし、『悪魔のいけにえ』などもってのほか。
ところが、怖いのが苦手な映画友だちが数年前に見て「面白かった可笑しくて笑えた」と言うので、それなら見てみようと思っていたところだった。
しかし、思ったとおりの映画だった(ToT)。
いや、しかし、友だちの言うことも本当だった(゚Д゚)。

実際、若者5人のうち4人は、あっさり殺されるので怖がる暇がなかった。占いで「現実とは思えないほど酷い目に遭うが、それは現実」と出ていたサリーは、あっさり殺された方がマシではないかと思えるほど怖い目に遭うが、なんか食卓のシーンあたりからは「明らかに現実じゃないでしょう」と思える余裕さえ生まれ、一撃で殺すのが得意なおじいさんが何度もハンマーを取り落とすのを見ては「おちょくっているのか(笑)」と確かに可笑しかった。一家の皆さんは、意外と邪気がなかったりして、なかなか可愛らしいと思う。

それにしてもホラーの登場人物は、無頓着にやばそうなところへよく行くものだ。そうしないと話が始まらないからだけど、「やばそうセンサー」がいかに大切か、やばいと思ったら引き返す勇気がどれだけ必要かとマジで思う。
そして、ホラーのお約束「むじな」。のっぺらぼうから逃げ出して助けを求めた人に「こんな顔ですかい?」と言われて、のっぺら顔を見せられるという。本作もちゃんと「むじな」を踏襲。
考えてみれば、あのあたりでガス欠になったら、5人のような運命をたどるということか。ガス欠をあまく見ない方がいいと思った。
(2021/08/21 高知県立美術館ホール)