入江悠監督作品は観たことがなかったが、何年か前に高知のオフシアターベストテンに入っていて気に掛かっていた。本作は監督のオリジナル脚本だという。近未来の日本を舞台に、安全保障関連法、相模原の障害者殺傷事件、個人番号と他の情報の紐付けなどを彷彿させられる社会問題を織り込んだアクション娯楽作で滅法面白かった。それに、福島の漁師も登場するのだ。ハリソン・フォード主演の『逃亡者』を彷彿させるような下水道シーンもあり、主人公(大沢たかお)がいつ谷底(?)に飛び込むか期待しまくった(笑)。
この映画を観た人が、命(でも何でも)の格付けをするのは権力者であって、私たちは格付けされる側(殺されるかもしれない側)であることに気づいてくれたらよいと思う。どんな差別も許さないこと、仲間割れしないことが、格付けされないことに繋がると思うけど、今、日本では殿さまでもないのに殿さま気分の人がいて相模原の事件の加害者の考えに共感したりするから困ったもんだ。トリアージも市民間でよく話し合っておかないと、それほどでもないときにトリアージが必要と言い出しかねないのが権力者だ。
ああ、話が脱線した。
脱線ついでに素晴らしいコラムがあったのでリンクを貼ります。短くて面白いので、ぜひ、ご覧ください。
<新・笑門来福 笑福亭たま>絶対アカン考え方
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