世界で一番しあわせな食堂

どうってことのない話なのにとてもよかったなぁ。
食は健康の源。しかも美味い。医食同源を今更のようにフィンランド人がありがたがるのが面白かった。中国人観光客とか中華街とか、中国パワーがフィンランドにも行き渡っているようだ。
小学生の息子を連れて人を探しにやって来た中国人の料理人チェン(チュー・パクホン)と、現地の食堂を切り盛りする女性シルカ(アンナ=マイヤ・トゥオッコ)のラブストーリー。それに食堂の常連(持病あり)のお年寄りが絡んだりする。
景色もよかったが、シルカのチェン父子との距離感がとてもよかった。始めは知らない者同士、でも、不親切ではない。過剰に親切でもない。少し距離が縮まってもプライベートに立ち入らない。ぎくしゃくの父子にサッカーを勧めたり。妻を自転車事故で亡くしたチェンは息子が自転車に乗るのが嫌なのだが、シルカはそれを知って気の毒には思っても息子は自転車に乗りたいのだからと線引きがキチッとしている。
常連さんがチェンをサウナに誘ったりするタイミングも自然でよかった。
常連さんのシルカへの思い遣りもさりげなくてよかった。チェンの妻はどうしているのか聴いた方がいいとか、チェン引き留め作戦(?)、筏でのひととき、アコーディオンの伴奏での歌、いいなぁ~。
トニャカイも美味いし、景色もいいし、人との距離の加減がこんなに自然で絶妙なら、世界で一番しあわせなところで間違いにゃいと思う。
(2021/06/12 あたご劇場)

「世界で一番しあわせな食堂」への2件のフィードバック

  1. >どうってことのない話なのにとてもよかったなぁ。

    に惹かれて観てきました~(^^)
    確かに「いい人ばかり」なんですが、なんとなく
    自分も過去に、こういう環境に居たことある…って
    思わせられるような心地よさ。
    お茶屋さんの仰るように「人との距離感」がいいのね。
    しかも「気を遣ってる」というより、もっと自然な感じ。

    ラスト近く、上海から来た人が「静かさ」のことを
    「ほしいもののすべて」という意味で褒めてたのも
    わかる気がしました。
    人が少ない場所じゃないと「気持ちいい距離の取り方」は
    難しいんだろな…って、映画観ている間ずっと
    (勝手に)感じてた気もして。
    (まあ、人それぞれ、好みにもよると思いますが(^^;)

  2. ムーマさん、ご覧になられたのですね(^_^)。
    ほんと心地よい映画でした。
    ブログを拝読して、「そうそう、自然環境もよかった!書くの忘れてた。」と思いました(テヘ)。

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