リヒテンシュタイン展

とてもよかった!休みが取れたらまた行きたい。
ルーベンスもよかった。「これがルーベンス!?」と本当に驚いた。チラシの絵なんか、ルーベンスと思ってなかったもん(^_^;。
ただ、やっぱり嫌いなルーベンスもあって、うえの画像に一つ例を挙げておいた。
「ひげのある男」「果物籠を持つサテュロスと召使いの娘」「ディアナの狩り」などもとてもイイと思った。「ディアナの狩り」なんかは、私の嫌いなルーベンスの特長である過剰さがあったけれど、狩りのスピード感、躍動感が半端ではなく、嫌いなどと言ってられなかった。

バロック・サロンの展示では、調度品や彫刻がおもしろかった。象嵌細工のチェストなんか、綺麗~。
キンキラキンは好みではないけれど、細工の細かさ作りの美しさには眼を奪われる。
それに何ですとー!アンドレア・マンテーニャの「マルシュアス、または聖セバスティアヌス」の彫像(?)があったのでビックリした。絵よりいいわ~。(絵は実物を観たことがないけど。)絵の人と同じ顔だわ~。矢の抜けた穴が痛々しくも可笑しかったけど。

音声ガイドで受けたのが、クリストファーノ・アッローリ作「ホロフェルネスの首を持つユディト」の解説。ユディトの表情が冷ややかなのは、画家がユディトのモデルに失恋したせいで、画家自身がホロフェルネスの気分だったんじゃないかということだ。

日本で言うと戦国時代から江戸時代末期までの美術品をよくぞ集めたり。美術史とかに詳しかったら更に楽しめたかもしれない。

(2013/02/01 高知県立美術館)

レーピン展図録

東京で10月8日までなので行けないと思い、図録を通販で手に入れた。やっほーい。素晴らしい図録だなぁ。
図録だけでもいいやとあきらめていたら、来年2月16日から3月30日まで姫路市立美術館に巡回してくる。や、ほ、ほーい。日帰りで行けるじゃーん。
「怖い絵2」だか「3」にあった「皇女ソフィヤ」も観れる~。
この美しい図録をながめていると(少し読んでみたら書いてあることも面白い)『おとなのけんか』でジョディ・フォスター扮する奥さんが、お気に入りの画集にケイト・ウィンスレット扮する奥さんのゲロピーをかけられて、きゃー!となった気持ちがよくわかる。

肖像画は、どこかで見たことある人だと思うものがいくつもあって、うえにマット・デイモンとダイアン・ウィーストをスキャンしてみた。他にもふっくらしたバネッサ・パラディ、老けたサム・シェパード、『アラビアのロレンス』でブライトン大佐役だったアンソニー・クエイルが精悍に描かれているものなど。他にも知り合いにいるわ~という感じで、なんだか不思議だ(笑)。

「怖い絵」の「イワン雷帝とその息子イワン」でレーピンを知って、「イワン雷帝~」以外の作品でも、ぜひ、レーピンの実物を観たいと思っていた。2009年に「忘れえぬロシア-リアリズムから印象主義へ」と題したレーピンの作品を含むトレチャコフ美術館所蔵の展覧会は指をくわえていたけれど(広島まで来ていたのにぃ)、今回は見逃さないぞ~。

★イリヤ・レーピン/Ilya Yefimovich Repin 1844.8.5(ユ暦7月24日)-1930.9.29 (ロシア、ペテルブルグ 86歳)2009
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カジポンさんのレーピン紹介と墓参り記録

エドワード・バーン=ジョーンズ展

重陽の日、奈良を早々に切り上げ、三宮で3時間のお買い物タイム(友人)。私はネットカフェにでも行くか~と思っていたが、駅の柱広告にバーン!とバーン=ジョーンズ展が。案内所で聞くと兵庫県立美術館までは20分くらいで行けるというので阪神電車で行ってきた。

ほぼ美形、メタボ体形皆無。弛緩と恍惚というと大げさだけど、血と汗と涙とは無縁の気持ちよさげな表情の人々が物語を演じている。さらさらと気軽に美しいものを観た~という感じでなかなかよかった。やはり、ピグマリオン、ペルセウス、いばら姫、アーサー王あたりが洗練されていて印象に残る。

大学時代に出会ったウィリアム・モリスとは生涯にわたって親交があり、バーン=ジョーンズはモリス商会のデザイナーをしたり、モリスの著書の挿絵を担当したりしていたそうだ。モリスはもちろん、その他の著作で、バーン=ジョーンズが挿絵を担当した書籍の展示もあった。

本人はマンガチックな自画像しか残していないが、ジョージ・フレデリック・ワッツ作の肖像画が展示されていて、バーン=ジョーンズって彼の絵のイメージを損なわない線の細い感じの男前と思った。

珍しいと思ったのは、バーン=ジョーンズが原画(1890年)を描きモリス商会が制作したタペストリ「東宝の三博士の礼拝」(1894年、258×384、、マンチェスター・メトロポリタン大学所蔵)。大きくてとても綺麗だった。

ジョン・エヴァレット・ミレーとの見分け方がイマイチわからないけれど、ミレーは画質がより輝いていて、登場人物にも表情があるかな?簡単な見分け方があれば教えてください。

ミロ展


とても面白かった!目玉オヤジや一反もめん出演。画面に奥があるミロの版画は宇宙空間ぽい。

版画は小さくて、保存のため照明も暗くて、数ばかり多くて、どっと疲れるので、あまり期待してなかったけれど、大きい、明るい、展示数もちょうど。しかも、ほとんど貸し切り状態。さーっと観たので疲れなかったし。今は改めてもう一度見に行きたいと思っている。

色彩の美しさや形の面白さもさることながら、版画が立体的に見えることに驚いた。
たとえば、真ん中と右の画像は、黒で描かれた部分とグレーの背景の間には明らかに空間があった。右のアンテナを振り回しているように見える人(?)の赤い目と青い目は黒の枠と背景の間に浮かんでいる。
私にはほとんどの版画が三次元に見えた。左右への空間の広がりはあまり感じなかったけれど、かなり奥行きがある。描かれているものの色や太さによって、あるものは手前に、またあるものは遠くに見える。
また、何の試行錯誤も作為もなく描いたように見えるのが凄い。自由でユーモラスで、なんだか元気を分けてもらえるような感じだ。

実物があまりに美しいので図録を見るとガッカリしてしまう。図録は平面にしか見えないし。版画の色んな方法が図解されているのはよかった。う~ん、どうしよう。また見たくなるかな。地元の展覧会は、とことん迷えるからいいなぁ。レームブルックなんか2004年に観たのに図録を買ったのは昨年だもんね。とりあえず、実物があるうちに、もう一回だ。

(2012/08/22 高知県立美術館)