127時間

この映画は元気なとき向きだと思う。アーロン(ジェームズ・フランコ)の生還は、人間の愚かさも含めて素晴らしさに変換させたようなもので、本来なら人間賛歌として心に残る作品だろうと思う。ダニー・ボイルの小気味のいい演出は健在、役者もいいし、元気なときだったらもっと楽しめたかもしれない。(元気なときでも、うへぇ~なシーンは正視できなかったろうな。)ニュースか何かで実話を知ったときには、凄いな~と唯々感心したものだったけれど、こうして映画で観てみると意外に凹んだ。「私には出来ない=死んでたね」そう思ったものだから、ボイルの明るい演出も私には反対に作用したのであった。

127 Hours
監督:ダニー・ボイル
(シネマ・サンライズ 2011/12/21 高知県立美術館ホール)

ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル

う~ん、核爆弾で何をしようとしていたのか、話にまるでついて行けなかったけど、今回のイーサン・ハント(トム・クルーズ)チームは、いいチームだと思った。ベンジー(サイモン・ペッグ)、面白い。カーター(ポーラ・パットン)もブラント(ジェレミー・レナー)も含めてよけいなことを言わず、サクサクと仕事が進むので、何か笑えてきて楽しかった。しかも、ドバイのビルディングを・・・・(ははは)。すごいことをやっているのに笑っていいものだろうか(?)。駐車場のシーンは痛さが勝って笑えなかったけど、トム・クルーズはプロデューサーも兼ねているからこそ、自らアクションもできるんだろうな。きっと、ここまでやらないと満足できない身体になっているんだろうな~。

MISSION: IMPOSSIBLE – GHOST PROTOCOL
監督:ブラッド・バード
(2011/12/21 TOHOシネマズ高知7)

RAIL WAYS 愛を伝えられない大人たちへ

ゆったり、しみじみ大人の映画だった。人生において、やりがいのある仕事がいかに大切か、一番身近なはずの夫婦の意思疎通がいかに難しいかが、40年の長きにわたる時間の重みとともに伝わってきた。そして、夫の定年退職を機に、夫にとっても妻にとっても第二の人生のスタートラインに着いたわけだが、スタートと言っても落ち着きのある雰囲気で、このような落ち着きのある清々しさもあるのだなぁと思った。

滝島徹(三浦友和)が働き始めて41年、無事故35年という時間の差は、ちょうど慣れた頃に事故を起こしたのではないかと想像するが、後輩の指導にもその失敗の経験が生かされているような気がした。徹の高校生時分の彼女(仁科亜希子)が登場し、バツイチの彼女によって熟年離婚の内実を垣間見させる脚本もうまいと思う。

妻佐和子(余貴美子)が担当する患者が徹が運転する電車に乗り合わせていて・・・・というくだりは、妻がなぜ働きたいのか理解する大切な場面だが、雷鳴と稲妻がものすごく、映画として山場となり得ていたと思う。また、最後の電車の運転で、まさに退職の花道、沿線で手を振る人たちを配した場面もよかった。春めいた光の中を走る電車に無言の運転士。感慨深いものが込み上げる面持ちに共感した。

監督:蔵方政俊
(2011/12/04 TOHOシネマズ高知1)

けいおん!

音楽映画かと思えばさにあらず。なかよし軽音楽部のゆるい人間関係が、猫なで声と内股で表現された日には、かゆくてかゆくて・・・・スンマソン。中途半端にあまいにゃー(猫ひろし)。
だけど、私の一遍しか経験がない海外旅行の行き先が彼女たちと同じだったので、ほほぉ~という感じで観ていた。

監督:山田尚子
(2011/12/03 TOHOシネマズ高知6)