女神の見えざる手

女性キャラで、ここまでハードボイルドなのはあったかなぁ?目的のためには手段を選ばずは、是か否か。ロビイストって日本でいえば大手の広告代理店みたいな役割なのね、お金で動くとわかって勉強になった。銃規制賛成を捻りにひねったエンターテインメントにできるなんて、アメリカ映画の底力(フランス合作)。

ミス・スローン(平野ノラジェシカ・チャスティン)がクスリに依存しているって、いつどうしてバレたんだろう。ずーっと気にして見ていたが、終わってみて全てが計算ずく、自らバラしたということなのだとわかり、若干拍子抜けした。悪徳政治家を成敗するとともに自らも刑務所でクスリを絶つ一挙両得。セリフが多い作品は苦手なので、細かいところがわかってないのだろう、何か消化し切れていない感はあるものの面白かった。(釈然としないわけは、全てが計算どおりには転がらず、作戦を修正しながら結果としては思いどおりのところに持って行ったはずだと私が思っているからだろう。買春夫さんの証言だけが「想定外」なんてあり得なーい。全てが彼女の計算どおりに見える描き方が私としてはモヤッとするのだと思う。)

ミス・スローン、どうしてこんなキャラになっちゃったの?どんな悲しい過去があったの?とチラリと思いはしたが、その答えは作品の中にあった。謎を残しておくのがミソなんだそうな。そうして関心を持続させるんだって。よーし、覚えておいて、いつかこの手を使うぜ。
(2018/04/07 あたご劇場)

リメンバー・ミー

お盆や、お盆やー(笑)。マリーゴールド、好きやし~。家族の話やし。ほどよいドンデン返し。蛍光色の豹神様(美)。
とにかく、ミゲル(声:石橋陽彩)が魅力的。歌もサイコー!なんて気持ちいいんだ。youtubeで繰り返し聴きたい。
んで、石橋陽彩でググってビックリ!少年ではありませんかっ。『ベン』の主題歌を歌ったマイケル・ジャクソンを彷彿させられました。
(2018/04/07 TOHOシネマズ高知3)

ペンタゴン・ペーパーズ

「ベトナム戦争を分析した最高機密文書」=「それまでのアメリカ政府が国民にウソをついてきた証拠」
「スピルバーグ監督の演出力とメリル・ストリープの名演に唸らされる社会派サスペンス」=「今の日本のジャーナリズムの惨状が浮き彫りになる」
男性社会の中、しなやかに凛と立ち上がる女性の映画でもあった。
マスコミの偉い人は政府の偉い人と友だちというパターンは多いのか。一線を引かざるを得ない関係性に気づいたキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)とベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)。まあ、気づいてよかった。
(2018/04/07 TOHOシネマズ高知9)

15時17分、パリ行き

レスキューに自信がないので、事故や事件の現場に居合わせることがないよう常々祈ってきた身には、この作品の主人公がまぶしい。世のため人のため役に立ちたいと子どもの頃から神様に祈っていたとは凄い。それが英雄的な行為で達成されたのはめぐりあわせというもので、凄いことには違いないが心がけに比べたらおまけのように感じる。
主人公は他に二人いて、彼らはズッコケ三人組(?)として子どもの頃から仲良しで、進路が異なってもずっと友だちだった。テロリストと乗り合わせてしまった特急列車での連係プレーは、三人が歩んできたこれまでと無関係ではないという風に描かれており、思えば「めぐりあわせ」がテーマのような作品だった。

最も印象に残っているのは、撃たれた人の傷口に指を突っ込んで止血している場面。最も忘れたい場面だ(^_^;。軍隊で落ちこぼれていたけれど、訓練していたことが活かされた。普通の人の英雄的行為。祈りが通じてよかったねと思ったが、世の中が平穏無事で人のために役だつことが親切心くらいで済むにこしたことはないとも思った。
(2018/03/07 TOHOシネマズ高知3)