スタイリッシュという言葉をどう使ってよいかわからず、あまり使ったことがなかったけれど、こういう作品をスタイリッシュというのだろうか。独自のスタイルがあると感じた。
色んなところにスタイルを感じたが、思い出せるのは二つくらい。強盗の後のカーチェイスのシーンで、同乗者の女性の表情をとらえるとともに、リアウインドウ越しに追いかけてきた車がクラッシュするのを写し込んでいる。また、名無しのドライバー(ライアン・ゴスリング)が、エレベーターで人妻だが相愛のアイリーン(キャリー・マリガン)に別れの(?)キスをするシーンのスローモーションも印象深い。
お話はありがちだけど(どっかで『シェーン』みたいと書いてあるのを読んだ)、スタイリッシュな演出のお陰で退屈するヒマはない。それよりワタクシ的には、主人公の名無しのドライバーに難ありだ。無口はまあよい。プラトニックもまあよい。アイリーンの息子に対する優しさは、なかなかよい。サテンの生地にスコーピオンのジャケットもまだよい。逃走時のドライバーとして強盗に荷担するのは穏やかではないが、まあ、娯楽映画と思えばいいんじゃないの。ただし、愛する女性を守るため、命を賭しての大殺戮。これには思いっきり引いた。仮に私を守るためであったとしても、そんなことをする人には一瞬にして恋も冷める。ロマンチックでもヒロイックでもない描かれ方のため、うへぇと逃げ出したくなった。
DRIVE
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
(2012/11/24 ギンレイホール)
あれは、『悪人』の祐一と同じく『汚れた顔の天使』だと観たんですが…。 ダメ?(笑)
う~ん、ダメ(笑)。
祐一は理解できるけど、名無しのドライバーは何を考えているのかわからなくて不気味なんです。
『ラースと、その彼女』のラース(ライアン・ゴスリング)は好きだったけど。