面白い!「ハッピーじゃなけりゃ、エンドじゃない」、それがインド映画の法則でっす。
そうかぁ、インドでは貧富の差が大きくて、子どもを安定した職業に就かせるために親は必死で大学に送り、学生はプレッシャーと競争にさらされ自殺者が出て問題になっているのか~。というようなことを背景に、娯楽街道まっしぐら。ハッピーエンディングまでシモネタ、出産エピソードを交え~の、三馬鹿の篤き友情と親子の鉄板泣かせの葛藤劇に加えて教育ローン、もとい教育論などを打ち上げ競争に物申し、雄大な山奥へとロードムービーしながら花嫁奪取などもやらかして恋愛映画的にも見せ場があり~ので、いやはや、てんこ盛り、ニコニコ、ごっつぁんです。
だけどね~、一番驚いたのは、親友か家族かの選択を迫られたラージューのとった行動だ。いやもう、死んだと思って息を飲んだもんね。でも、考えたら彼は無事で10年後の今を生きているのだった(笑)。
カメラマンになりたいファルハーン(R・マドハヴァン)/自信がなくて神頼みのラージュー(シャルマン・ジョシ)/機械大好き天才ランチョー(アーミル・カーン)/スかしっ屁チャトル(オミ・ヴァイディア)/恋の風が彼女にも吹いたピア(カリーナ・カプール)/教師としても親としても伸びしろが大きかった学長(ボーマン・イラニ)
3 IDIOTS
監督:ラージクマール・ヒラニ
(2013/10/12 あたご劇場)
とても楽しくて、頭の中をインドにしてしまわれそうな快感でしたね。音楽のナンバーもどれも良かった。(サントラを買おうかな、と本気で考えています。)インド映画は、ミュージカル・シーンでのカットのつなぎが本当に上手い!以前も、アジア映画祭で上映した「ディル・セ 心から」の走る列車の上での群舞シーンがあまりにすばらしいので、本編のその箇所だけ4回も見てしまいました。
(もしかしたら、ミュージカル・シーンだけの演出家、編集者というのがいるのかな?)
この映画を見ていると、ベースにあるものとして、宮崎駿さんが言うような「この世は生きるに値すると言うことを伝えたい」という思いと共通するものを感じました。詰め込み教育と学生の自殺、出世主義といった世相も出てきますが、軽薄なご都合主義とは違った現実肯定感が気持ちよかったです。
ガビーさん、『きっと、うまくいく』、面白かったですねー!娯楽の原点がここにある、って感じでした。観客の人生は映画が終わってからも続くわけですから、「この世は生きるに値する」というのが伝わってくると、生きるパワーが出ますよねー。
(『ディル・セ 心から』、シャールク主演じゃないですか~(^o^)。「チェレ チェイヤ チェイヤ チェイヤ チェイヤ~」)
ミュージカル・シーンは、振付師が演出等を取り仕切っているそうです。監督と同じくらい重要なポジションみたいですよ。MTVかプロモーションビデオかというくらい、ミュージカル・シーンだけ取りだしても楽しいですね。