よかった!これは好きだ~!10人中8、9人は楽しめると思う。笑って泣ける小さないい話だ。また、映画好きには、かなり受けるんじゃないだろうか。
脚本家になる夢を持ち、コンクールに落ち続けた34歳の馬淵みち代(麻生久美子)と、大口を叩くばかりで1本も書いたことのない天童義美(安田章大)。考えてみれば私は追いかけた夢なんてなかったので挫折もなかった。なれたらいいな~と思うのは仙人で、なれるとは思ってないので、今後もそういう方面の挫折はなさそうに思う。そんな夢とは無縁の私でもみち代の「どうやって諦めたらいいの???」には泣けた。義美くんも応援したくなった。みち代のモト彼氏で俳優を諦め、今は介護施設職員の松尾くん(岡田義徳)も凄くいい人で、元彼、元彼女の微妙な関係が面白かった。みち代に先んじてプロデビューできそうなときのマツモトキヨコ(山田真歩)も、二人の間の優越感やら嫉妬やらの微妙な空気が可笑しかった。他にも真面目そうな映画監督、26歳の監督、中華料理店のワンさん、金券ショップの同僚などアクセントとなる人物がいるので本作が愛しくなる。夢に向かって頑張るも良し、諦めて新たな一歩を踏み出すも良し。人生の小さな応援歌として楽しめる作品だ。
監督:吉田恵輔
(2013/11/20 TOHOシネマズ高知2)