『殺し』に登場した十代の仲良し二人組のうち一人は、警察に追われて川に飛び込み、逃げている途中で溺れ死ぬ。『革命前夜』でも主人公ファブリツィオの親友が溺れ死に、彼はその嘆きと親友への思いを詩にして叔母に聴かせたりする。ベルトルッチの友だちも川で亡くなったのかもしれない。ファブリツィオはコミュニストだったが、その思想に疑問を感じ始め、自身の階級であるブルジョアの女性と婚約する。というわけで、ベルトルッチの自伝ぽいと思って観終わったらチラシに「パルムの僧院」を下敷きにした半自伝的作品とあった。叔母との恋愛は「パルムの僧院」からなのか。「観念をセリフにされると眠くなる」という法則に従ってうつらうつらしていたところ、ファブリツィオと叔母さんとの恋愛沙汰に完全に目が覚めた。なんか妖しい雰囲気だと思っていたら・・・・。二人が別々に眠っているのをカットバックしたシーンがエロティックだった。さすがベルトルッチである。
PRIMA DELLA RIVOLUZIONE
BEFORE THE REVOLUTION
監督:ベルナルド・ベルトルッチ
(ベルトルッチとイタリア名作選 高知県立美術館 2013/11/23)