やっさもっさ

話が面白い。淡島千景がきれい。戦後8年の風景と活力と。色んなものが詰め合わされた中、一本貫かれる混血児とその母への応援歌。見事なパッケージに感動させられた。

1953年のコメディ。本当に色んなものが入っている。戦後、強くなったのは靴下と女性と言われていたらしいが、そのことが目に見えてわかる。バリバリのサラリーマンだった夫(小沢栄(栄太郎))は、戦後は虚脱状態でヒモのような生活をしており、妻に隠れてパンパンのラブレターの代筆なんかしている。妻(淡島千景)は、慈善家(東山千栄子)に混血児を預かる施設の切り盛りを任せられており、資金集めなんかもテキパキこなす。この夫婦関係のゆくえを主軸に、戦後の復興・開発にからむ詐欺やら、田舎から出てきた若人(佐田啓二、桂木洋子)が慣れない都会で懸命に働く様子や、朝鮮戦争で負傷し亡くなる米兵などが描かれており、当時は楽しい娯楽映画というだけの作品だったかもしれないが、今や日本の動くアルバムとなっている。しかも、米兵と日本女性の間に生まれた子どもたちが、少なからず孤児となる事情や親と暮らせても虐めや差別を受ける問題を、母子の側に立って描き、見事な応援歌となっていた。

監督:渋谷実
(小夏の映画会 2015/02/14 龍馬の生まれたまち記念館)

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