なんか漫画みたいに面白かった(^Q^)。こういうのを狂気の沙汰と言う(爆)。ジャズもチャーリー・パーカーも知らないので、イーストウッド監督の『バード』で予習しておけばよかった。幕切れの切れ味は、音楽の切れ味みたいにカッコよかった。
原題の「WHIPLASH」がいいなぁ。でも、そのまま邦題にすると「???」だから、「サド先生と僕」とかどうかなぁ。(「僕」は「ぼく」であって「しもべ」ではない。)
天才というのは努力する才能に恵まれた人だなぁと思いながら見た。あるいは、成功する人は一線を越えちゃってると。
サド先生の術中に嵌って、気弱なアンドリューが変身したのがビックリだった。大先生に認められたことで、すっかりその気になって、アメフト従兄弟をこき下ろすシーンなんか笑える。このバンドには俺が必要と豪語するに至ってから血だらけで演奏するシーンは、紙一重的に鬼気迫る。(その後のつかみ合いは、やっぱり笑える。)パパと映画を見に行って、レーズンをよけてポップコーンをつまむアンドリューがけっこう好きだったので、元に戻っていいんじゃないと思った。いい夢、見させてもらったねって感じで。
しかし、ああいうしごきに発憤できる人は今の時代少数派のような気がする。一人の天才を育てるために何人が犠牲になったことか。もっと人を見て育ててほしい。サド先生には鞭ではなくて釘を刺しておきたい。
(2016/01/30 あたご劇場)