瀕死の探偵

ワトソンはホームズに本当にひどい目にあわされていると思う。ハドソンさんにホームズが死にかけていると言われてベイカー街に駆けつけ、げっそり衰弱し精神錯乱まで起こしているホームズの様子に胸を痛める姿が気の毒だ。気の毒ではあるが、この一編に漂うそこはかとない可笑しさが、初めて読んだ小学生の頃から大好きだった。推理小説としてはイマイチなんだろうけど、ワトソンの誠実さやホームズのケレンがいっぱいで面白い。

それにしてもホームズは大した役者だ。「ボヘミアの醜聞」でワトソンは書いていたのだった。

彼が犯罪の専門家になったことにより、科学界は鋭敏な理論家を失い、同時に演劇界もまた、優れた俳優を失ったのである。(東京図書、シャーロック・ホームズ全集第5巻P156、日暮雅通訳)

シャーロッキアンの研究によるとアメリカで俳優修業をしていた時期があるとのことだ。

[追記]
なんと、Weblio辞書に例文として載っていた。
The stage lost a fine actor, even as science lost an acute reasoner, when he became a specialist in crime.

「瀕死の探偵」への2件のフィードバック

  1. ストーリーもおぼろ~~ですけど、私も小学生の時からこの話好きでした(^o^)。なんかドキドキくすくすしながら読んでましたね。(なんとなくくすぐったいお話だったんですよね。)

  2. そうですね~、くすぐったい(笑)。
    ワトソンがぼろくそに言われて傷つきながらも、病気のせいだと心配でたまらん様子がグーです。ホームズは生き生きと(?)病人を演じて、これまでに輪をかけて言いたい放題(笑)。
    役作りのため三日間絶食をしていたので、最後は、シンプソンへ行って栄養のつくものを食べようという幕切れ。
    ワトソンは、妻の待つ我が家へ帰らず、シンプソンへ「随行」したのでありましょうか?

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