鍵泥棒のメソッド

一番のワル(?)だと思ったのが、愛はどうでも金が大事のパート主婦(森口瑤子)だったのだから、いい人ぞろいの気持ちイイ作品だった。
水嶋香苗(広末涼子)が、職場のアルバイトも、結婚相手にも望むのは「健康で努力家の人」であって、財産も容姿も問わないのが良い。彼女の父親も本人が言うことに運良くお金に困らず、何につけ一流のものに囲まれて生活できたが、それよりも愛する妻と娘が一番の宝物とのことで実に微笑ましく感動的だ。
記憶喪失の殺し屋こんどう(香川照之)の几帳面さなども好感が持てて、香苗との恋の成り行きを応援したい気持ちになった。
ダメ男の桜井武史(堺雅人)でさえ、根は悪いヤツではないからして、エピローグの恋の予感もよかったねと思える。
こういうしゃれた映画は内田監督の専売特許かな。1年に1本は観たいものだ。
それと、ああ、いい曲と思ったら、作品中で曲名も披露してくれて嬉しい。ベートーヴェンの弦楽四重奏第13番。やっぱりベートーヴェンってスゴイや(^_^)。

監督:内田けんじ
(2012/10/03 TOHOシネマズ高知5)

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