下女

ははははは!何か変だ、可笑しい(^m^)と思っていたら、そういうわけだったのか。
いろいろ過剰だしねぇ。特にエロ描写が素晴らしく、女性が皆、色気虫(笑)。そこがまたツッコミどころで、女工の中に一人の男性音楽教師とはいえ、妻にばかりか、なぜ、こうもモテて身体を求められるのか(それほどの男性に見えないが、やっぱりピアノが弾けるのがポイントか)と思っていたら、願望八分にに自他戒二分だった。受けた~(^Q^)。男性深層心理を描いた作品として、すっきり気持ちよく見終わった。この種明かしがなかったら、「歴代韓国映画ベストワン????」と思ったままだった。次から次へと色々起こってお化け屋敷みたいなんだけど、21世紀に生きる者としては少し物足りない。「下女、死んでたまるか、もっとやったれい!」という感じだからして。『虫女』(1972)、『火女’82』(1982)と2回もセルフリメイクしているそうだから、どんどんヴァージョンアップしているかもしれない。続けて観たいものだが叶わない(残念)。

男性深層心理と一般化しては、いけない。この主人公は積極的に家を持ちたかったわけじゃないみたい。それが妻の「私が家を望んだばかりに」というセリフに現れていると思う。稼ぐことが若干重荷になっているのかもね。また、長男(アン・ソンギ)には手を焼いているのかも。

それにしても、登場人物がたくましい。へなちょこは主人公だけ。子どもは守られるべき弱い存在ではない。足の不自由な長女も弟への応酬ぶりを見ていたら立派に生きていけるにちがいない。妻は言うに及ばず。下女は寄る辺ない身の上で住む家もないのに未婚の母となりかけてメロドラマができそうなのに、絶対メロにはならない。なぜ、ここまで皆たくましいのか?

その他いろいろ。
子どものあやとり糸から工場の糸へ場面転換も鮮やか~。愛人関係になったら、落雷、木割れ~。階上へ運ぶときのコップのアップは、確かにヒッチコックを彷彿させられる。降ればどしゃ降り。音楽も効果音も笑えるくらい盛り上げる。私にはわからなかったけど、きっとこのエンタメ作品にも象徴性が潜んでいて傑作中の傑作と言われるのだろうな。チラシに“ブルジョワ”とあったけど、資産家という意味ではなかった。でも、英語、仏語を使う家族はブルジョワっぽいかな。

石坂健次氏(日本映画大学映画学部長)の講演(コロナ禍により映像)も拝聴。この映画を見た後は講演で紹介された「下女ハウス」が欲しくなる(笑)。←韓国で発売されている紙製の模型で、簡単に『下女』の舞台となった家を組み立てれる。
主人公が階段で下女の首を絞めるシーンをパラパラ漫画のように見れる「パラパラ下女」もよいアイデア。
キム・ギヨンは、お医者さんでもあったそうな。火事で亡くなったとのこと。
金綺泳筆の座右の銘「好きな事を一生懸命やる」、しごく普通。
(2020/07/26 高知県立美術館キム・ギヨン監督特集 同ホール)

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