アルプススタンドのはしの方

直球、ど真ん中。青春、真っ盛り。「しょうがない」と諦めないで努力する価値が(その価値に主役の面々が気づくことが)ストレートに胸を打つ、気持ちのよい作品だった。
予告編を見たときは、アルプススタンドのはしの方しか映らない閉塞感に耐えられるか気にかかっていたが、スタンドでブラスバンドが演奏していたり、球場の屋内への場面展開があったりして充分に息ができた。
野球シーンは一つも映らず音と登場人物の視線や表情のみで盛り上げていく、いかにも演劇という感じが欠点にならなかったのは、「しょうがない」一本に集中してコンパクトにまとめたからだと思う。スタンドと球場屋内から見える青空や明るさが統一されていて、エピローグのナイター(?)との対比も効いていた。
(2020/09/23 ゴトゴトシネマ メフィストフェレス2階シアター)

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