おらおらでひとりいぐも

沖田修一監督作品と知って、母を誘うんじゃなかったと思ったが、もう約束していたから行った。やはり「わからんかった。まあ、年がいったら独りということよ。」と言う。
わからなかったと言っても、主人公が若いとき家出して東京で出会った夫に先立たれ、子どもも独立して独りになったことも、三人の男が主人公の心の声と言うことも、地球が生まれて人類にまで生命が受け継がれてきたから生きねばと主人公が思っていることも理解していた。要するに「わからんかったということは、面白うなかったということよ。」なのだそうだ。

桃子さん(田中裕子)は、若いときの桃子さん(蒼井優)と同じで違っている。(今桃子さんのゴキブリ殺しが傑作だった。)夫(東出昌大)に先立たれた寂しさを自由にしてくれたのだと合理化している。ものは考えよう。よく生きれるように考えればイイと思う。若桃子と今桃子とでは、今桃子に分がある。今桃子の方が生きているから。自分の道を行くとき、自分らしくあろうとするとき、生まれ育った土地の言葉は大切だと思う。もし、土佐弁禁止になったら息苦しい。

寝て起きて食べて医者へ行って図書館へ行って、たまに娘と孫が来て・・・・と高齢になると一日の行動パターンが六つぐらいで終わってしまうそうだが、大正琴、太極拳、卓球のうちもっとも活動的な卓球をすることにした桃子さん。見習いたいものだ。
(2020/11/12 TOHOシネマズ高知5)

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