悪魔のいけにえ

複数の人から別々に「『ソウ』(シリーズ)が面白かった」と勧められても見たいと思わないし、『ウィッカーマン』は好きだけど『ミッドサマー』はウワサを耳にして見に行くのをやめた。『クワイエット・プレイス』でさえ見たくないし、『悪魔のいけにえ』などもってのほか。
ところが、怖いのが苦手な映画友だちが数年前に見て「面白かった可笑しくて笑えた」と言うので、それなら見てみようと思っていたところだった。
しかし、思ったとおりの映画だった(ToT)。
いや、しかし、友だちの言うことも本当だった(゚Д゚)。

実際、若者5人のうち4人は、あっさり殺されるので怖がる暇がなかった。占いで「現実とは思えないほど酷い目に遭うが、それは現実」と出ていたサリーは、あっさり殺された方がマシではないかと思えるほど怖い目に遭うが、なんか食卓のシーンあたりからは「明らかに現実じゃないでしょう」と思える余裕さえ生まれ、一撃で殺すのが得意なおじいさんが何度もハンマーを取り落とすのを見ては「おちょくっているのか(笑)」と確かに可笑しかった。一家の皆さんは、意外と邪気がなかったりして、なかなか可愛らしいと思う。

それにしてもホラーの登場人物は、無頓着にやばそうなところへよく行くものだ。そうしないと話が始まらないからだけど、「やばそうセンサー」がいかに大切か、やばいと思ったら引き返す勇気がどれだけ必要かとマジで思う。
そして、ホラーのお約束「むじな」。のっぺらぼうから逃げ出して助けを求めた人に「こんな顔ですかい?」と言われて、のっぺら顔を見せられるという。本作もちゃんと「むじな」を踏襲。
考えてみれば、あのあたりでガス欠になったら、5人のような運命をたどるということか。ガス欠をあまく見ない方がいいと思った。
(2021/08/21 高知県立美術館ホール)

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