お金を掛けたデルトロ節。『デビルズ・バックボーン』の昔からホルマリン漬けが好きだなあ。(クライマックスはうへぇと思いながらも全体的に)面白く見た。上映時間の長さを感じさせられたわけではないけれど、この話なら2時間弱にしてほしかった。また、不満があるわけではないけれど、スタンをブラッドリー・クーパーより翳りのある俳優が演じたら「哀しみ」がプラスされたかも。だけど、それはピート(デヴィッド・ストラザーン)と被ってしまうから、やはりこのままでいいのだろう。ピートとジーナ(トニ・コレット)のカップル、いいなぁ(^_^)。
人の心を操る楽しさ(全能感と金儲け)と恐ろしさを描いていて、どんな因果があろうともそれは悪いことだとハッキリきっぱりの健全な娯楽作。やっぱり、ギレルモ・デル・トロ監督作品は良い。
エズラ(リチャード・ジェンキンス)、恐かった。こういう業を背負った人には近づかないに限る。リチャード・ジェンキンスは素晴らしい役者だ。今更ながら気がついた。
(2022/03/28 TOHOシネマズ高知3)