前半は皇一(岡田将生)がおかしくて可愛らしくてなかなかのコメディになっていた。後半は長宗我部麗華を演じた清原果耶がミスキャストだったように思う。伊藤沙莉とかだと1秒遅れの彼女でも軽妙だったのではないだろうか。また、麗華とバスの運転士(荒川良々)と一の父(加藤雅也)以外は時が止まっているなら、皆が一日失っているのだから一だけが「僕の日曜日はいずこに!?」と言っているのは不合理な設定だと思う。それでも、後半の時が止まった情景がシュールでどれだけ見ても飽きなかったし、一の母役の羽野晶紀もグッジョブだし、妹とその彼氏のカップルはサイコーだし、笑福亭笑瓶のDJと写真館店主の二役もよかったし、『リンダリンダリンダ』『天然コケッコー』の山下敦弘監督とは相性がいいみたい。
なお、一の父が口の端からソーメンが出ているのに気づかないのはわざとらしいと感じる人がいるかもしれないが、年をとると感覚が鈍くなるのでなかなかにリアルなシーンだと私は思った。
(2023/07/07 TOHOシネマズ高知8)