オープニングの獅子舞のアニメーションに気分上々(^o^)。このまま平面アニメで行ってくれてもよかったけれど、後はCGアニメになっていた。いずれも、キレッキレの獅子舞がカッコよく「やんややんや」だった。
お話はやせっぽちでいじめられっ子風の主人公が都会で働く両親に会いたいと一念発起、仲間とともにその都会で開催される獅子舞競技に出場するべく師匠について鍛錬するも、両親が帰郷したと思ったら父が意識不明の大怪我ゆえだった。家族を支えるため今度は彼が出稼ぎに行く。そして、ついに競技の日が来てという、逆境に負けそうな人への応援歌、あるいは不屈と挑戦の心を励ます作品になっていた。
そういう本来の作品の面白さの他に、今の中国を垣間見られるのも魅力だ。
南の方は春節の頃、半袖でいいのかと驚いたし、植生も南方風で納得。挿入される歌に英語の歌詞が一部付いていたりで、日本と同じだと思ったり。他にもいろいろ気がついたことがあったのに、早忘れてしまった。
獅子舞競技で決勝の対戦相手は、最後の棒に乗ろうともしなかった。低い棒から高い棒へと舞いながら飛び移っていくのだが、最後の棒は世の中には乗り越えられないモノがあるという、いわば戒めの棒のため本来、挑戦不可なのだ。ところが、主人公は挑戦しようとする。これは困ったことになった。挑戦が成功すれば、戒めを破ることになるし、不成功に終われば映画がどっちらけで終わってしまう。どうするかと思っていたら、鮮やかなラストシーンに唸った(拍手)。
(2023/10/26 あたご劇場)
確かに。最後のジャンプは、簡単に成功していたら嘘っぽいし、単なる失敗で終われば、それこそ世の中にはどうにもできないことがあるという失意と戒めの物語になってしまう。
本人たちは落下するが、獅子頭だけがそこに達するという落としどころに泣けました。ジャンプするライオンと体からほどける赤い花のイメージが素晴らしかったね。
獅子頭だけのカットがよかったです~(^_^)。
ライオンは百獣の王と言われているから良いイメージを持っている人の方が多いかもしれませんが、野生動物のテレビ番組などで見るかぎりダラダラしていて獲物をガブガブ食べて、めちゃめちゃ怖いので私はあまりよいイメージを持ってないのです。歌舞伎の連獅子ならよいのですが(^_^;。
あの赤い花は始めの方に出てきた花ですよね。主人公と同じ名前の女の子が言っていた。花に選ばれた勇者。そこに帰るんですね。花がいっぱい出てきたのがよかったです。アニメならではのイメージでした。