そして舟は行く_高知県立美術館開館30周年記念展

1993年11月3日に開館した美術館は、早30周年。およそ440名の作家の41,000点以上の作品を収蔵しているそうだ。開館時に大川功氏にシャガールの版画、開館20年頃にご本人及びご遺族から石元泰博の作品やフィルム等の寄贈を受けている。そして、近年は作品を購入する予算も限られ当地ゆかりの作家の作品の寄贈を受けているようなので、私は棚ぼた美術館と思っていたが、やはり、学芸員さんを始め美術館に関わる方々が作家や関係者と良好な関係を築いているからこその寄贈なんだろうから、また、受け入れも厳選しなくちゃならないそうだから、棚ぼたと言っちゃ申し訳ないと思うようになった。
それでも好奇心から今回の展示作品の購入率を計算してみた。各展示室で一番のお気に入り(当日の気分)などの感想も記してみる。最後には展覧会は一期一会ではあるけれど、今まで観た展覧会のうち、もう一度観たいものを四つ選んでみた。

第1展示室 マルク・シャガールと同時代の洋画
19作品 購入14作品(73.7%)、寄贈等5作品(26.3%)

「画家の妻」岸田劉生・・・・力強い。
「緑衣のロッテ」ジョージ・グロス・・・・手の静脈!
「貝殻のある静物」「女性」藤田嗣治・・・・やはり独自の世界だなぁ。

第2展示室 日本の戦後美術
45作品 購入33作品(73.3%)、寄贈等12作品(26.7%)

岡上淑子の作品はタイトルが大事。
「作品65.2」正延正俊・・・・また会えた!嬉しい(^o^)。

第3展示室 ニュー・ペインティングを中心に
15作品 購入15作品(100%)

「レームブルック伝説」ヨルク・インメンドルフ・・・・なんべん観ても面白い。発掘された彫像はレームブルック作品だったのか!夢みたいな絵だ。観客席にいるのは芸術家とのことだが、誰が誰だかさっぱりわからない。

レームブルック作 女性像の画像
発掘された彫像かも

「真夜中の太陽1」フランチェスコ・クレメンテ・・・・色あせてきた?唇にひび割れ、あったっけ?
「アタノール」アンゼルム・キーファー・・・・観るたびに明るい。実際より暗く記憶しているみたい。

第4展示室 高知県ゆかりの美術
39作品 購入14作品(35.9%)、寄贈等25作品(64.1%)

「猫犬」土方久功・・・・ブロンズだったのか!温もりがある。どこから観ても可愛い!ミニチュアがほしい!

県民ギャラリー 美術館の歩み
11作品 購入5作品(45.5%)、寄贈等6作品(54.5%)

著名作家が柿の木に描いた(書いた)作品群。柿の木プロジェクトが楽しかった。

石元泰博展示室 石元泰博コレクション展 フォトセンターの10年1期
「東京 街」・・・・おじさんと子どもと犬がすれ違うところを俯瞰で捉えた。凄い構図。

もう一度

2004年ヴィルヘルム・レームブルック展
2006年ベトナム近代絵画展花と銃
2012年ミロ展
2015年没後20年具体の画家ー正延正俊

野町和嘉さんの写真展は、県美と三原村の展覧会の両方行ったので感想を書こうと思っていたけれど、どうも機を逸した。
どちらもとてもよかった。何を撮っても美しい。三原村では鳥葬のための解体作業を遠くから撮影した作品があって衝撃だった。

「そして舟は行く_高知県立美術館開館30周年記念展」への4件のフィードバック

  1. 2012にミロ展があったんですか(気づかなかった)
    わたしも観てみたかったなあ。

    「もう一度」自分の場合は
    「レームブルック」(2004)と「べトナム」(2006)
    野町和嘉さんの「聖地巡礼」(2008)かな。

    もしかしてその頃が一番、自分にとって
    「落ち着いて美術を観ていられる」時期だったのかも
    って、初めて気づきました。
    今回の30周年記念展も、やっぱり行こうかなって
    この記事を読んで、今思ってます。

  2. あ~、残念。展覧会は昨日までだったんです。もっと早く書けばよかったです〜。リヒターの作品も出てたんですよ。

    野町さんの写真、素晴らしいですよね。2008年の展覧会は見てないのですが、何を撮っても美しく、被写体との距離感もほどほどで。写真集を買おうかと思って本を手にとったのですが、展覧会の写真が美しすぎて見劣りしたのでやめたんです。

    >「落ち着いて美術を観ていられる」時期

    わたしもそうかも〜。

  3. >展覧会は昨日まで

    そうだったんだ~ いえ、チラシも持ってるのに
    ちゃんと見てなかったもんで(^^;
    若い友人が最近行ってたんだから
    終わりが近いって気づくべきでした(あはは)

    >展覧会の写真が美しすぎて

    写真と実物(それが写真でも)の差って
    本当に大きいよね。
    昔々は、わたしそれに気づいてなくて
    むしろその頃の方が、絵画の写真集とか見るのが
    楽しかったと思います(これはこれで残念かも)

    でも、お茶屋さんの記事のお蔭で
    県立美術館の所蔵品のことがわかって
    わたしにはすごーくよかった。
    どうもありがとう!デス(^^)

  4. ほんとに印刷物と実物の差は大きいですよね。(でも、合田佐和子さんの油絵は印刷物の方が好きです。実物のもやもや感が好みじゃないのよね~。)

    レームブルックも正延正俊も、何年も経って実物を忘れた頃合いに図録を買ったんですよ。地元の美術館だとそんなことが出来るのもイイですよね。ミロの図録も残ってないか探してみようかな。

    >県立美術館の所蔵品のことがわかって
    わたしにはすごーくよかった。

    ホンマでっか!?嬉しいです。ありがとうございます。書いてよかったです。

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