二作目があるとは思わなかった。それだけ、一作目が面白かったということだ。その一作目を踏襲してラストは007も真っ青な大アクション。アニメってアクションだったんだ~。実写の重量感とか痛々しさがないぶん安心して楽しめる。ただ、ひじょーにもったいないのが、ピーター兎をはじめ様々な動物が画面のそこかしこで動いていて魅力に溢れているのに、二つの目玉では追い切れないことだ。
ところどころ、英国のポップスが使われていて聴いたことのある曲もあって嬉しかった。また、ビア(ローズ・バーン)とトーマス(ドーナル・グリーソン)は、キラキラ瞳の編集さんナイジェル(デヴィッド・オイェロウォ)が勧める儲け主義の絵本「ピーター・ラビット」の出版を拒否したのに、映画は編集さんが薦めたとおり(受け狙い)に展開していくという英国らしい自虐性も面白かった(わかっちゃいるけどやめられない)。そして、ピーターが若気の至りでバーナバスにだまされ仲間の動物たちが散り散りになるが、トーマス・マクレガーと温かいやり取りがあるのがやっぱり微笑ましい。
ビアトリクス・ポターの絵本になじみのある友人の言うことには、キャラクターが絵本とは少し異なるそうだし、今作は動物のキメのスナップショットが絵本そのままだったそうだ。私はピーターたちの絵を描くビアがビアトリクスからきていることに二作目でやっと気づいた。原作とはまったく異なる設定であっても緑豊かな景色など一応はリスペクトを感じる作りになっていると思う。
(2021/07/03 TOHOシネマズ高知1)