爆弾のおかげでハラハラ、配送父子(火野正平、宇野祥平)のおかげでほろり、配送会社の中間管理職(阿部サダヲ)が電話で「社長に言っとけっ!」と怒鳴った相手が社長だったのに爆笑、エレナと孔(満島ひかり、岡田将生)も所詮は労働者なので何やら気の毒で、なかなか面白かった。
ケン・ローチ監督の『家族を想うとき』のように日本だけでなく、労働者の働き損になるように社会のシステム(法律)が変えられて久しい。本作の背景はそういうことなので、近江商人の三法良し(売り手、買い手、世間に良し)に習った五方良しに思いが飛ぶ。五方良しとは、「従業員とその家族(売り手)」、「外注先・仕入先」、「顧客(買い手)」、「地域社会(世間)」、「株主」 の人を幸せにする経営のことで、坂本光司さんが提唱してきた。amazon 経営者は、ぜひ、目指してほしいと思う。立法府にも。
俳優では満島ひかりがよかった。赴任したばかりのときの無理している感がただよう痛々しさ、やがて有能だとわかってきた頃に、爆弾に触って大ピンチの表情。あるいは孔に「お客様のために」を説明するときの無言の裏読み、警察や取引先との一線の引き具合、おしまいの上司とのやりとりなど、微妙に態度を変えながらもエレナはエレナの魅力があった。
大ヒットということで登場人物のイラストのシールをもらった。宣伝がすごいからヒットして当然、しなければ悲惨だったろう。プロデューサー:新井順子、監督:塚原あゆ子、脚本:野木亜紀子は、テレビドラマ「MIU404」「アンナチュラル」にも関わっていたそうで、今や映画制作はテレビで実績を挙げてからというのが主流なんだろうか?少なくとも徒弟制のようだった昔のようなことはないのだろう。ともあれ、主要ポストを女性が占める日本映画がヒットするのはイイもんだ。
(2024/09/23 TOHOシネマズ高知1)
(略)学会の主目的は、「人をトコトン大切にしている企業こそが、好不況にぶれず好業績」という先行研究の深化・体系化と、人を大切にする企業経営の普及にあります。(略)
坂本光司 法政大学大学院政策創造研究科教授・NPO法人オールしずおかベストコミュニテイ(障がい者の就労支援機関)理事長
(引用者注:現在の肩書きは異なっているかも)
満島ひかりは「ラスト・マイル」と言い、TV「カルテット」、「川の底からこんにちは」と言い、憑依型のカメレオン女優ですね。(今「愚行録」をアマゾンで見かけています。) 才能の底が知れない。歌も上手いし。
「ラスト・マイル」は製作者の意図としてポップコーン・ムービーとして作られたそうです。気楽に見られるエンタメでありながら社会性もあって、日本人としては誇らしい気がします。女性スタッフ中心で、この豪腕は素晴らしいですね。
「ラスト・マイル」つながりで「MIU404」を見続けていたら、第一シリーズの最終話(~2・3話前から)に、犯人役でゲスト出演している菅田将暉が凄かった。目つきと言い、口調と言い、本当にこいつは悪い奴なんじゃないかとゾゾゾと来ました。テレビドラマ史上特筆すべき悪役でした。NHKの「あさいち」にゲスト出演したときも、タイトルこそ口に出来ないものの、鈴木アナが触れていました。多分、後のシリーズでも復活してくるんだろうなあ。
「愚行録」、見てみようかな。
満島ひかりは、もう38歳だそうですよ。同じくらいの年齢で長澤まさみが母親役とかやってますが、ひかりちゃんは童顔だからもっと年を取らないとそういう役が回ってこないのかな?『悪人』ですんごい憎たらしい役もできてたし、なかなかの役者ですよね。
「MIU404」の菅田将暉の役は、なんかムカつきました(^_^;。本人もあんな感じじゃないかと思っています;;;。それくらい役者だということなんでしょうね。
『ラストマイル』は、映画らしいスケール感もあって、ポップコーンムービーとして面白いうえに、人情もあって配送父子なんかとても印象に残るし、2024年の物流問題に照準を合わせているのも旬でよかったですよね。もうちょい笑いがほしかったですが、それは二匹目のドジョウに期待します(^o^)。
「愚行録」は見ないことをお勧めします。「MIU404」の菅田将暉の2倍くらい胸糞が悪いですよ。僕としては、「ある男」の石川慶監督のデビュー作ということで、ずっと気になっている映画でしたが。
おすすめにしたがい「愚行録」はやめます。ありがとう。
「ごめんね青春」の第1話を見たら面白かったので、こちらを見ようと思います。満島ひかりはキレッキレの演技です(^o^)。錦戸くんもグー。波瑠、永山絢斗に黒島結菜とか竜星涼とかも出てて、宮藤官九郎の脚本なので笑えるところがいいですね。