これは大大大好き(^_^)。「もののあはれ」と滑稽味が、程よくブレンドされたアメリカ映画というのは珍しい。ジム・ジャームッシュ作品を想起させられもしたけれど、風に飛ばされそうなウディ・グラント(ブルース・ダーン)が象徴するように、どこまでも軽く核となるものが見あたらない。アレクサンダー・ペインは、ジャームッシュほどには映画狂ではないのだろう(?)。ただし、モノクロ映像で描かれた景色と音楽が抜群によくて、「間」の演出も冴えわたり、これまで見たペイン作品の中で最も洗練されていると思った。
欠点だらけの人たち。お金が絡むと醜悪だし、セックスが絡むと品がなくなり、年を取るほどに子どもに帰って好き放題だけれど、私たちの分身としてチャーミングに描かれている。家族の肖像としても、夫婦のごたごた感や親子のうるうる感など既視感があり、普遍性を感じる。また、閑散とした町に老人が多く、若者には職がなく肥っているという現代性も、かつて親兄弟が協力して建てた家に住みという古き良き時代と、きょうだいが早くになくなり自分も戦争に行ってという人に歴史あり、社会に時代ありみたいなところも家族の話の中にうまく取り込まれている。
ウディは、良い父親でも夫でもなかった割に、よい人生の幕切れを迎えられそうだ。100万ドルを当てるよりラッキーなんじゃないかな。







