—頑迷を脱して賢明になろう—
おもしろかったです。
「おかあさん、ぼくを産んで」と言うのに母は、「お腹の中にいるときからしゃべれる子は、自分で出てきなさい」と言います。生まれたばかりの子どもが「ぼくを洗って」と言うのに「自分で出てきた子は、自分で洗いなさい」と言う。う〜ん、この子にしてこの母あり、いや、この母にしてこの子ありというべきか、オープニングで度肝を抜かれました。
それから、人間てホンマ、あほやな〜と思いながら見ておりました。
だって、キリクの警告を無視して魔女にさらわれかけたところを当のキリクに救われた子どもたちが、再びキリクの警告を無視して(というかバカにして)魔女にさらわれ、またしてもキリクに助けられるのですもん。
キリクが大きくなって、元魔女のカラバを伴い村に帰ったときの村人たちの対応もひどいもんだと思いました。
枯れた泉を元に戻したのはキリクで、その村の大恩人のキリクに対して魔女といっしょなら村には入れぬと言うのです。キリクが、カラバは魔女じゃなくなったと言っても聞き入れず、頑迷な民衆というか、なんというか。まったく、ありそうなことですな(自戒)。
「魔女は、どうしていじわるなの?」というキリクの問いに、「火が燃えて、水が流れるのと同じ。」と母が答えたのについて、私は「なるほどぉ。」と思ったのですが、そう思った私は賢明ではなかったのね。魔女が意地悪なのには、ちゃんと理由があったのでした。
絵は魅力的だし、歌はあるし、上映時間が短いし、何よりキリク走りが楽しーい!
カラバの声を浅野温子があてていましたが、独特の味があってよかったです。
■ポーラー・エクスプレス
こういうしっかりした構成のアニメーション、いいですねえ。文句なく楽しかったです。
サンタクロースが本当に存在するかどうか疑念を持ち始めた少年少女を乗せて北極点を目指す汽車。
その冒険は、もちろん楽しいですが、映画ファンのお楽しみとしては、トム・ハンクスが一人何役も演じているということ。
トム・ハンクスが、実際に動いて演じたものをコンピューターに取りこんでアニメの動きを作ったそうです。
道理で主人公の少年の表情や動きは、本当にトム・ハンクスそのもの。『ビッグ』や『○○』(←題名度忘れ)を彷彿させられました。
■ハウルの動く城
なんかもう、キャラクターの勝利って感じ(笑)。
登場するキャラがみんな魅力的だし、細部のこだわり(案山子の手袋、ハウルの城の中、戦闘機の造形などなど)が、いちいち楽しいです。
ただし、まったくの無邪気な自由人であるハウルが、ソフィーを守るため身体を張るようになるまでの気持ちの流れが、今一つつかみがたいことと、カルシファーとの関係がわかりにくいことが残念でした。
また、宮崎駿監督は、戦争についての説明はわざと省いたとどこかで読みましたが、それにしては戦争の扱いが大きいため、どことどこが戦っているのか、王室つき魔法使いサリマン(細木数子みたい)が戦争にどうかかわっているのかなど釈然としない気持ちのまま見終わってしまいました。
ともあれ、ハウルが荒地の魔女やサリマンにモテモテで、おもしろかったわ〜(笑)。
■隠し剣 鬼の爪
永瀬君、すっばらしい演技。
真剣勝負に卑怯もへったくれもなし。負ければ死ぬのだもん。わざと隙を見せて討つというのは、大いに結構。
また、隠し剣は、秘剣中の秘剣。伝授される資格のある者は、この剣は使わないでしょう。つまり、この剣を使わなそうな者にこそ伝授されるのでしょうね。だって、こういう剣は『デッドゾーン』でマーティン・シーンが演じた大統領候補(言わばヒトラー)を暗殺するときに使うべき剣法なのでしょうが、だれがヒトラーか見ぬくのは無理な話ですし、よしんばヒトラーであったとしても転び具合によっては大虐殺をしなかった可能性もあるわけで、結局、使い道のない剣法なのかも。
思えば、わざと隙を見せるのも隠し剣も、武士道からは遠い、侍らしからぬ剣法ですね。
侍の身分を返上して、蝦夷で商いをするという片桐。たいへんだろうな〜。
大変だけど死ぬよりまし。過労死より、脱サラをってことかな?
あ、それと、近代戦の訓練するところとかおもしろかったですね。侍には侍の走り方があったのですね!目からウロコでした。
投稿者: お茶屋
スインギン・サミット
うん、なかなか楽しいコンサートでした。>谷口英治とスインギン・サミット
軽快で上品。とても聞きよい、こなれたジャズでした。
いっしょに行った友達は、ギラギラしてなくてよいと言っておりました。お人柄が出るからね〜とも。
谷口さんのクラリネットの音色が大変よろしいですね〜。
音が粒だっているというか、一つ一つの音がちゃんと綺麗に出て、それがつながって曲として聞こえるって感じで、それは弱く吹いても強く吹いても裏声みたいな(いななきみたいな)音のときでさえ磨き抜かれた音。だから品よく聞こえるのかもしれないですね。
おしゃべりもお好きなようで、結構受けてましたよね。ジャズ初心者でも楽しめるように、コード(和音)進行の中で元のメロディとは違ったメロディを作って行くんだよー(←これが即興)と説明してくれて、リパブリック讃歌(タロさんの赤ちゃんが風邪ひいた)で実演。
また、即興が成功すると当人が悦に入ってニヤニヤし、失敗すると他のメンバーがニヤニヤするので、そういうのを見てもらうのがライブの醍醐味だ(笑)とかお話してくれました。
裏拍子(2拍目と4拍目)で指パッチンしてねと観客も参加しての「大きな古時計」演奏も楽しく、お客さんもノリノリで2時間弱があっという間でありました。
1 ソフト・ウィンズ
2 スイート・ジョージア・ブラウン
3 ムーン・リバー
4 リパブリック讃歌
5 スターダスト
6 A列車で行こう
(休憩10分)
7 イン・ザ・ムード
8 セント・トーマス
9 大きな古時計
10 鈴懸の径
11 メモリーズ・オブ・ユー
12 君去りし後
(アンコール:リクエストに応じて)
茶色の小瓶
印象派と西洋絵画の巨匠展
う〜ん、なんだか統一感に欠ける展覧会でありました。
それに展示作品の一覧表さえ配られてないもんな〜。私はめったなことでは図録なんて買わないので、一覧表をよすがに作品を反芻するのよ。今回それが出来ないのでブーイングだわ。
今回は県立美術館が主催じゃないから、年間観覧券の効力もないしさ(ぷんぷん)。
印象に残ったのは、絹のソファーに女の子がもたれている作品。あの布の輝きは素晴らしいですね〜。
それから、クリムトの左向きの少女の絵。少女の表情にもの凄いパワーがあって(なんか一心に考え事をしているので、あらぬ方を凝視しているかのように見える表情)、それをそっくり写し取ったクリムトの筆さばきと逆光を生かした画面構成に衝撃を受けました。
あと、ピカソはどんな絵を描いても力があって、なんだか悔しい。負け知らずの横綱みたいに憎たらしい(笑)。
デ・キリコは、見てみたかったんだけど、見たらイマイチ。マルグリットもあんまり上手じゃないねー(爆)。ひらめき勝負ってとこがよいわね。この二人の絵は思ったよりサイズが小さかったですね。ウォーホルは、思ったより大きいサイズでした。
「犬」と「女性」と「男性とリンゴ」の版画(?)の作者は誰でしょう?気に入ったのですが。
常設展1階では、土陽美術展をやっていて、石川寅治がいいですねー。
昨年の寅治展、見に行けばよかったと思いました。
2046(他いろいろ)
う〜ん、トニー・レオンはよかったけど・・・・・。
マギー・チャンとトニー・レオンはゴールデンコンビですよね。ホントに絵になる二人だわ。
チャン・ツイィーは、正面から見た顔はいいんだけど・・・・。
わたし、キムタク不感症だし・・・・。(でも、ハウルには期待しているの。美青年だもん。)
■モンスター
クリスティーナ・リッチ、か、かっわいいー。独特の美しさがありますよね。
彼女が演じたセルビーは、純粋だけど依存心だけで生きているような困ったちゃん。
シャーリーズ・セロンが演じたアイリーンが、可哀相でたまらなかったわ。
でも、自分に選択肢がないからと言って人を殺して、その人の選択肢を奪うようなことをしちゃいかんのだけどね。
作品としてのインパクトは強く、今もどこかにアイリーンのように選択肢がなくて、のた打ち回っている人がいるのだろうと思うと、ちと胸が苦しくなります。
ブルース・ダーンが演じたトムという元兵士が興味深い存在でした。アイリーンの唯一の味方で理解者。「君が(娼婦を)していることは、生き抜くには他に選択肢がないからだ。だが、他の者にはそれが理解できない。まったく別の世界で生きているのさ。」戦地から帰還後、仲間が何人も自殺したというトムの言葉。
それにしても、シャーリーズ・セロン、アカデミー賞主演女優賞は伊達じゃない。セロンの影も形もなくアイリーンに成りきり!
不細工メイクはよしとして、たるたるの背中と腹を見たとき、私はショックでしたーっ。「やめてくれー」って感じ。さすがに手は綺麗なままだったけど。
『モンスター』を見てしまった人は、今度、高知東宝で上映される『トリコロールに燃えて』のセロンで気を取りなおしてくださいね〜。
■予告編を見て
両親を殺されて、復讐に燃え世界中を旅して見つけたものは!?
ひえー、おもしろそー!何の予告!?と思ったら『バットマン・ビギンズ』。
ブルース・ウェイン(=バットマン)は、クリスチャン・ベールか〜。まずまずですね。
ケン・ワタナベも出るし〜。
執事のアルフレッドは、マイケル・ケイン!わはは、見たい見たい。
リーアム・ニーソン、ゲイリー・オールドマンも出てるよー。
監督は、だれだっけ、忘れたい名前だったような(笑)。
MCN(ムーヴィー・シティ・ニュース)のBatman Begins(英語)
■ラブストーリー・ベストテン
キネマ旬報12月上旬号で、ジャンル別オールタイムベストテン第3弾ということで、日本映画のラブストーリー・ベストテンが発表されていました。
1 浮雲(成瀬巳喜男)
2 野菊の如き君なりき(木下恵介)
3 近松物語(溝口健二)
4 幸せの黄色いハンカチ(山田洋次)
5 愛のコリーダ(大島渚)
6 また逢う日まで(今井正)
7 赫い髪の女(神代辰巳)
8 秋津温泉(吉田喜重)
9 ジョゼと虎と魚たち(犬童一心)
10 乱れ雲(成瀬巳喜男)
『ジョゼと虎と魚たち』が入っているのをお知らせしたくて打ち込みました。9票入っとります。
見たことあるのは4、5、9だけ。1、8は高知で近年上映された記憶があるけど、残念ながら見ていません。
他人の選んだベストテンを見るのも面白いけど、自分で選ぶのはもっと面白く、みんなで選ぶのは更に面白いです。
というわけで、みんなで選んでみませんか?2004年オフシアターベストテン選考会が1月にありますので、近いうちに応募要領をアップしますね〜。