アルコールがあったらちょっとした「お客(宴会)」になりそうな雰囲気というか、アットホームな感じがまさに「夕ごはん会」だったので、とても気楽にすごせた。ごはんが終わってデザートまで出てコーヒーで一服して・・・という頃合いに前方から呼びかけられて、自己紹介を始めた人がいると思ったら、それが朗読劇の始まりだった。導入部、うまい。
働く気もなく自宅もなく女性の間をフラフラしているシンイチと、4人の女性の物語。ユキ先輩や姉のようなサチコが「やめときな」と言うのに、モエコちゃんはシンイチに夢中で、私も「もう~、やめちょき(呆)」と最初は思ったのであったが、モエコちゃんはそんなシンイチでも充分幸せそうで、「う~む、本人がいいなら傍でとやかく言うことないか」と思い至り、私の周りでモエコちゃんみたいな人が現れても「何も言うまい」と決意した。そういえば、瀬戸内寂聴さんも「放っておけ」と言ってたことだし。いや~、なんかタメになる劇だなぁ。
ところどころ笑えるところがあって(「カレー麻婆めん」、それはないろう(笑))、カジュアルな登場人物のカジュアルな恋愛模様をカジュアルに描いていると思った。役者さんがみんな上手なので、本人が心情をいちいちナレーションするのをもっと減しても思っていることは伝わる気がした。落語が好きなのでト書きは最小限にと思うのかもしれない。場面状況(どしゃ降り)を「ザー」「ザー」と役者さんに言わせたのは、うまいト書き表現で面白かった。
作・演出:松島寛和
(2013/09/20 サホエリカフェ・アルモンテ)