にじゅう、うん年ぶりの桂浜


「高知のバリアフリー観光」というウェブサイトを教えてもらって見てみると、桂浜に車椅子で行けるみたいだったので梅雨の晴れ間に母と行ってみた。
まずは松林を抜けて龍馬像に挨拶。あれえ、こんなに緑色だったっけ?(緑青かな。)龍馬像までは階段のイメージしかなかったけど、ちゃんとスロープがあったんだ~。スロープ沿いの岩にいくつも錆びたプレートがくっついているけど何だろう?

松には1本1本タグが付いている。松陰から見下ろす海は青くて気持ちいい。
浜まで下る2、30メートルの坂の勾配がきつい。車椅子の加速度がつかないよう後ろ向きに超ゆっくり下りていった。上りの方が楽だった。

浜の遊歩道は景観を損ねていると思うけれど、このお陰で水族館へ行ける。リニューアルしてからは2回目の入館だ。相変わらず小さい水族館だけど、トド、アシカ、ペンギン、コツメカワウソ(可愛い)、カピパラ、リクガメなどもいた。新型コロナ感染予防のためショーはしばらく休んでいるとのこと。それでもトドの餌やりは面白かった。早く食べ終わったトドが、まだ餌を放ってもらっているもう一頭の方へ行って割り込みをしていた。
アシカの息継ぎ、うまい。水族館には珍しく、ぼ~っとできるところがあまりないが、カンカン照りでなかったら大きいアシカの泳ぎはいつまでも見ていられる。(小さい方のアシカは見ていると目が回る。)
有料で餌やりできる動物が数種類いてウミガメはその筆頭。餌をやらなくても餌やりポイントに立つと近寄ってくる。プールの縁に前足を上げて「あ~ん」している亀の甲羅を後ろの亀が「どいて、どいて」とコツンコツンやっているのも可笑しい。
リクガメも食事中だったが、一頭は一心不乱に食べ、もう一頭は草に乗っかって顔を上げ遠くを見ていた。どう見ても考え事をしているようだった。
館内では河童と猿猴の違いの解説書があったが、字を読むには少し暗いので読む気にならず。展示してある魚の釣り方・食べ方を書いてある水族館なので、解説書のところはライトアップしてほしいところ。
2階もあったが(骨の展示だし)、エレベーターがないのでパスした。

お昼は持参したバナナを冷房の効いた無人の観光案内所でいただいた。案内人は昼休みで不在だったので気兼ねがいらずよかった~。暑くてお食事処を探すのも、浜で海を眺めながらのバナナもパスしたので助かった。
車椅子では浜の公衆トイレを使用したけれど、水族館か駐車場のトイレの方が管理が行き届いているようだったので後悔した。
それと度々、遊泳禁止の放送をしていた。突然高波が来るので波際に近づかないでとも言っていたような。小学校の遠足で毎年、波と追いかけっこしていた昔とは違うのだなぁ。

高知のバリアフリー観光
桂浜水族館・・・Twitterが~。
足摺海洋館・・・新海洋館へ行ってみたい~。
むろと廃校水族館・・・ウワサの~。

デッド・ドント・ダイ

ジム・ジャームッシュがゾンビ映画!?『ワールド・ウォーZ』や『新感染 ファイナル・エクスプレス』を観たときだったか、ジョージ・A・ロメロ作品のゾンビはあんなに速く動かないという批判(?)を目にしたことがあったので、ジャームッシュ作品ならきっと由緒正しい速度だろうと思った。ロメロの作品は観たことがなくて、そんな私が見てもどうかなぁと思いつつ行けば・・・、面白かった~!作り手が楽しんで作っているのが伝わってきた。イギー・ポップのゾンビが似合いすぎ(笑)。ティルダ・スウィントンも○○が似合いすぎ(笑)。ロメロ作品を知っている人は、更に楽しめるんだろうなあ。

ゆるいテンポとオフビートなユーモア健在で、いつもどおり詩情がある。何かの工事で地軸が変わったため死者が蘇るという設定に、地球環境を破壊するような現代文明を批判しているように思えた。また、生前に執着していたものを断ち切れないゾンビたちが描かれていて、そこが人間らしいところだと思えてきた。肉を食らうゾンビは、ひじょーに恐ろしいが(オエッ)、執着していたことをつぶやきながら、さ迷う彼らには親近感がわく。さしずめ私なら「館(映画、美術、博物、図書)ゾンビ」だろうか。
はじめは消費文明を批判しているのかと思って観ていたが、ミンディ(クロエ・セヴィニー)の祖母だったゾンビが「ミンディ、ミンディ」とつぶやいていたので、文明批判だけではなく執着批判かと思い改め、更には批判ではなく親近感だと思うに至った。

ロニー(アダム・ドライヴァー)が署長(ビル・マーレイ)に、よくない結末が待っていることを再三口にする。これは観客に対する「驚かないでね」という心遣いだろうか。でも、地上で生き残った者も4人はいるので、希望はある。続編も可能だ(^o^)。

(2020/06/11 TOHOシネマズ高知9)

恋愛映画ベスト3

ちょっと前までは、『グッバイガール』が入っていた。しかし、最近見直して昔のような感動がなかった(寂)。雨の中、出ていく彼氏(リチャード・ドレイファス)を歓喜の表情で見送る彼女(マーシャー・メイソン)。彼氏が大事にしているギターを残して行った、帰ってきてくれるんだ!ギターを抱きしめ「待ってるわー!」という感動のラストシーンなのに。「あ~、ギターが濡れる~。」と思ってしまった。したがって、相変わらず面白くて好きな作品だがベスト3を転落。そして、今のところベスト3は次のとおりとなった。

  • ナイロビの蜂
  • エイジ・オブ・イノセンス
  • ラストコーション

『エイジ・オブ・イノセンス』を好きな理由は、笑えるからという(大真面目な作品に対して)不謹慎なもの。タイトルバックは官能の花~。オープニングはシャンデリアに舞踏場。中頃ではテーブルクロスにカトラリー、ご馳走もすごいでしょ、屋敷も衣装もいいでしょうと。スコセッシ監督が「ビスコンティみたいなのを撮ってみたかったのよ~(嬉々)」と言っているようで、面白~い(^o^)。
アメリカからヨーロッパの貴族に嫁いだ伯爵夫人にミシェル・ファイファー。これはミス・キャストなのかどうなのか、彼女はキャットガールや『恋のゆくえ ファビュラス・ベイカーボーイズ』など蓮っ葉女が似合うのに。本来は奔放なのに似合わない世界(ヨーロッパにしても当時のアメリカにしても)に息苦しい思いをしている女性という役柄には合っているのかもしれない。でも、とあるシーンが猫背気味で、笑いが取れる歩き方!
一方、ダニエル・デイ・ルイスは、言うまでもなくエレガントなのだが、恋に妄想はつきものであり妄想から覚めるところもエレガントに演じていて密かに笑えてしまうのだ。くすぐったいんだよ~(笑)。
二人が互いの肉体を求めて右往左往するのも現代の道徳感や社会の状況からすれば笑いそうになるところかもしれないが、ここは笑わず浪漫に浸れた。そして、確かに恋だったもの(苦しみ)が長い歳月の間にまぼろし化して、儚いがゆえに美しいものに変わった感慨を感じさせる珠玉のラスト。
あ、あとウィノナ・ライダーが素晴らしい!主役の二人に拮抗しなければならない脇役(1対2で分が悪いのに)を演じて奇跡のように完璧なのだ。

『ジョゼと虎と魚たち』もよい作品だったな~。でも、浪漫がないのが苦しい。『ラスト、コーション』は苦しいのに浪漫がある。私にとって恋愛映画に浪漫は必須のようだ。

お茶屋の感想へ
ナイロビの蜂
ジョゼと虎と魚たち
ラストコーション