ペイン・アンド・グローリー

ペドロ・アルモドバル監督の自伝的作品とのことで、アルモドバルらしき映画監督サルバドールは、アントニオ・バンデラスによって演じられている。
これまでのアルモドバル作品と異なり、ヘンテコじゃない。ごく普通。アルモドバルの素なのか、母を亡くしてからのリハビリ的な作品なのか。そんなに面白いとは思わなかったが、まったく退屈しない。色彩や風景や衣服に調度品やら、何から何まで見応えのあるものばかり。

グローリーの部分は公になっているから、ある程度は知っていたり想像できると思うけど、ペインの部分はどうだろう。俳優と違って監督のことはプライベートまで知らない。作品をより理解しようと思ったら、俳優より作り手のプライベートこそ参考になるはずだけど。人間関係はともかく、こんなに心身の不調を抱えて映画を撮っていたとは大変だったねぇ。反対に言えば、よく撮れたねぇ。漢方は試したのかしら。

サルバドールが聖歌隊のリードボーカルをしていたというエピソードから『バッド・エデュケーション』を思い出したりしたが、ファンが観たらもっといろんな作品を彷彿させられるのかもしれない。
(2020/11/06 市民映画会 かるぽーと)

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