熊谷守一のカレンダー

斑猫
贈り物は別として、通常只で手に入るカレンダーをわざわざ買うのは無駄遣いという家訓があるため(?)、これまで仲間と買ったヴァル・キルマーのカレンダーを除いて買ったことはなかったんだけど、生涯2度目のカレンダーに手を出してしまいました。
あー、しあわせ~(^_^)。

本日は、そのカレンダーをスキャンして、デスクトップの背景に設定。windows7はデスクトップの背景をスライドにできるので、取り込んだ12枚がランダムに見れるのです。
あー、しあわせ~(^_^)。

猫は最も絵になる動物ですね。
熊谷守一という人を全く知らないのですが、カレンダーの帯には「『仙人』と呼ばれ、自由な精神に生きたクマガイモリカズ-猫、鳩、雨水等、身近な生命、風景を描いた代表作12点掲載!-」とあります。
そのうちネットで検索してみよー。

安部泰輔展 シャガール世界

シャガールの不思議な森 シャガール×安部泰輔

シャガールの良さがイマイチわからなかった。したがって、シャガール収集に反対だったし、常設も常にパス。ところが、今回、展示場の中央にこんもりとぬいぐるみの丘が見えるではないか。シャガールの絵に描かれたものをぬいぐるみにしているらしい。どれどれ~と入ってみて・・・・。
展示されているぬいぐるみは、どの絵のどれだ!?えーっとと探し回って・・・・、見つけたら嬉しい!!!特に気に入ったのは「オルジュヴァルの夜」という絵の右上の青い天使。ぬいぐるみも可愛いし、絵の中の天使の色もいいなぁ。鼓のような手風琴のような何かわからないものを持っているのもいい。山羊がバイオリンを弾いているのもぬいぐるみで気がついた(笑)。「村の祭り」で小さな棺を担いだ二人もぬいぐるみになっている。棺には花輪が載せられている。などなど~。とっても楽しかった。
聞けば、シャガールの展示場は滞在時間が短いそうで、よく絵を見てもらおうとして企画したのだそうな。好企画だ(拍手)!
「花嫁の花束」なんか単に赤い背景としてしか見えてなかったものが、人や変な動物や何か建物らしきものが描かれていることに気がついた。

安部泰輔 シャガール世界

これは、面白い!楽しくてウキウキ!
「皆さんが描いた不思議な生き物の絵をもとに安部さんが小さなぬいぐるみを作ります。」←毎日10名限定ワークショップ
ということで、描かれた絵と立体となったぬいぐるみを見比べて楽しんだ。
フェルトのうえでゴロゴロしてもいいよとチラシに書いてあるとおり、子どもがお昼寝中ー(笑)。お父さんが団扇で風をそよそよと送っていた。
会場では安部さんがミシンを踏んだり、誰かのお母さんにぬいぐるみの作り方をアドバイスしてたり。
会場の入り口には、シャガールの「料理でいっぱいの食卓」をモチーフにした立体作品があって、これを被って撮影OK。私も被って撮影してもらえばよかったよ(笑)。
通常、私たちが裁縫で小物を作るときは糸の始末とか、布端がほつれないようにとか、綺麗に綺麗に作ろうとするけれど、安部さんの作品はそういうのとは違って、その分やはりパワーがあると思う。

TAISUKE ABE official site

グロリア物語

高知県立美術館通信2013年7・8・9月号に登場したコレクション「グロリア」。うえの写真をご覧のとおり、美術館ホールのホワイエを飾る巨大画だ。行った人はわかると思うけど、まるであつらえたように雰囲気も大きさもホールにピッタリの絵なんだけど、実は・・・というのが今号の美術館通信で明かされている(私は別ルートで聞いてたけど)。
実は、あんまり大きいので収蔵庫に入らなかったんだって。記事を書いた奥野さんの文章も面白い。

「グロリア」を最初に見たのは、パリ郊外のとある倉庫であった。それはとてつもなく巨大な平面作品で、サイズ的に当館が収蔵することはありえなかったのだが、その10ヶ月後、あろうことか「グロリア」は、収蔵品だけで構成した開館記念展に出品されていたのである。
(高知県立美術館通信NO.81より 太字はお茶屋)

苦肉の策でホールに掲げることになったらしいが、正に怪我の功名だ。こういう楽しい逸話つきのコレクションは、県民としても愛着がわくものである。

(2013/08/03 高知県立美術館)

塩田千春展 ありがとうの手紙

塩田千春展 ありがとうの手紙
第一会場の一部屋がまるごと一つの作品と化していた。水族館で左右と上方の魚をながめながら歩くチューブ上の通路を思い浮かべてもらったらいいかな?水族館でのガラスの向こうに当たる部分は、この作品では黒い糸が張り巡らされている。通路は回廊になっていて、中央部分には色んな人が誰かに宛てた「ありがとうの手紙」がホチキスで留められている。近くの手紙は読めるので、いくつか読んでみる。書いた人の年齢層は幅広いみたいだ。張り巡らされた糸は、あやとりのよう。一定の法則があるのか、トンネル状のカーブなど美しく見える。こんなことをよく思いつくな~。制作と撤収過程をちょっと覗いてみたい。

第二会場も奥の方に黒糸を張り巡らした作品があった。一つは家のような骨組みに糸を張り巡らしたもの。もう一つは、婚礼衣装の紋付き袴と打ち掛けを対にしたもの。婚礼衣装の方は、家の方より糸が細く、密度が高い。横から見ると衣装の前面に空間を作ってあった。そのため、糸の向こうに衣装が綺麗に見える。
奥の間には、赤い絵の具をつけた手で描いたものも三作品あった。これはあまり新規な面白さはないと思ったが、ご本人の手によるものだろうから、太陽丘とか月丘の盛り上がりが芸術家っぽいな~などと手相を見ていた。
手前の間は、指揮者台に向かって譜面台が並べられており、譜面台には透明なチューブが張り巡らせられていて、その中を赤い液体が流れている。しばらく献血に行ってないな~と思った。
何を表現しているのか考える気も起こらなかったが、とにかく、よくこんなことを思いつくな~と感心した。そして、やっぱり、制作と撤収に思いを馳せた。

Chiharu Shiota(公式)
(2013/08/03 高知県立美術館)

レーピン展

観に行った当時は、リヒテンシュタイン展のクララ・ルーベンスちゃんや、その他のお宝お宝したキラキラ感が頭に残っていて、レーピン展の見始めの数点は暗くて寂しくて姫路まで来たのに~と思った。でも、すぐに慣れて、結局ほとんどの絵が気に入った。レーピンは、対象をよく観察し、冷静に描いている感じ。絵の中の人物は、その人の個性を発揮しているが、描き手は常にクールで動きのある絵もドラマチックな絵も静か。映画監督で言うとクリント・イーストウッドみたいな感じだ。

気に入った絵をスキャンしようと思ったら全部ってことにもなりかねないので、特に好きな3点と言いたいことがある3点をアップしてみる。1枚で物語ができてしまうくらいドラマチックな絵も数点あったので、それもスキャンしたらよかったかな。「ゴーゴリの『自殺』」なんか図録はゴーゴリのまわりの調度品が鮮明に印刷されているけれど、実物は暗がりに暖炉の火の赤と画面の奥の蝋燭の他は黒ーって感じで随分印象が異なる。実物の方は、じーっと目をこらさないと部屋の様子はわからない。映画の一場面を見ているようで、原稿を抱え天を仰いだゴーゴリの表情が本当にドラマチックだった。

(2013/02/28 姫路市立美術館)