メリダとおそろしの森

私にとっては『レミーのおいしいレストラン』級かな。
コメディ要素・笑いのポイントがふんだん。バグパイプ、タータンチェック、スコットランド~。語りが上手い。そんなわけで上映時間、あっという間。
だけど、メリダはなんか嫌な女の子だ。母親に悪態ついて反抗したってかまわない。だけど、熊になった母親に対しては、同情してもっと優しくしてくれた方がよかった。随分ぞんざいな口を利くように思えてあまり愉快じゃなかった。また、作り手が、熊になった母親を笑いものにしすぎだとも思った。熊になるってそんなに軽いことなのか~。コメディって難しい。(私が難しいのかも。)

ところで、ピクサー作品は本編の前におまけの短編がついている。いつも素敵な作品で、今回の『月と少年』もとてもよかった!『メリダとおそろしの森』はなかったことにしようっと(笑)。

BRAVE
監督:マーク・アンドリュース
(2012/07/26 TOHOシネマズ高知9)

おおかみこどもの雨と雪

狼男との出会い、田舎暮らしの助け合い、そして、子どもの成長と、それぞれ楽しめたけど、やはり、メインは雨と雪と花だよね~!
とにかく、雨と雪が可愛くて可愛くて(^_^)。「大丈夫、して~」と言っていた雨が大人になって(ToT)。私は母親の経験はないけれど、寂しくて心配で花といっしょになって「生きてねっ」て思えた。
子どもって生まれたときから個性があって、親としてはどの子もその子にあった生き方を選択できるようにしてあげたいのだろうなぁ。そういうの(おおかみになりなさいとか、人間で行こうとか)、親はコントロールできないので、親の出来ることは限られているのだけれど、縫ってあげたワンピースがどんだけ雪の救いになったかとか影響は大きいと思う。
雪の積もった朝、三人ですべり転げていく場面の躍動感が素晴らしかった。お腹のそこから笑いが込み上げる最高の場面だった。

監督:細田守
(2012/07/26 TOHOシネマズ高知8)

苦役列車

『ヤング≒アダルト』のメイビス(シャーリーズ・セロン)の男性版・・・・。ただし、こちらはメイビスより若いので、もっと迷いがあって、もうちょっと青春映画っぽくなっていた。あのバブル期にこんな青春があったのだ。浮かれて騒ぐとはほど遠い、くすぶる青春、のたうちまわる青春。とぼけた感じのアレンジ「線路は続く~よ、ど~こまでも~」の調子でどこまでもすすめたら、違う景色に巡りあえるのだろうか。それでも、あの調子の北町貫多(森山未來)が女の子にモテる日はくるのか甚だ疑問だ。本性を隠せないむき出しの男、北町貫太19歳。それはそれで立派。

日下部正二(高良健吾)/桜井康子(前田敦子)/高橋岩男(マキタスポーツ)/古本屋(田口トモロヲ)

監督:山下敦弘
(2012/07/21 TOHOシネマズ高知1)

へルタースケルター

日本人の心は荒廃していると思う今日この頃。もちろん私の心も例外でなく、数年前、「別に」発言でエリカ様をバッシングした人たちをバッシングし返したい思いに駆られていたのであった。←ちょっとウソ。最も美しい二十代の数年を仕事を干され、『パッチギ』『手紙』を残して私たちの目の前から消えてしまうとは映画界の損失。←本心。楽しみが奪われた嘆きで私は憔悴しきっていたのであった。←大嘘。
そんなわけでエリカ様の復帰作とあれば見逃すわけにはいかないのに、ちょっと見た限りのネットではさんざんな評価で、さほどの根性がない私はさっそくひるんだが、幸いヤマちゃんが「おもしろかった」と言うので辛くも初志貫徹できたのであった。←本当。

そして、美しさを売り物にするのは大変だな~と一種のむなしさを感じて感動しかかった。そう、ここで終われば私は感動したまま映画館を後にしたはず。ところが、りりこの写真集が復刊されて、美しさがまだ売り物になっている!(へぇ~、「目グサッ」効果があったんや~。)りりこ死しても商品は死なず。そうか、商品としての美の消費期限というのは、美しくなりたい女性がいるかぎり需要が途切れることがなく、もしかしたら永遠なのかもしれない。う~む、そういう映画だったのか、へぇ~、ほぉ~と感心しかかった。そう、ここで終われば私は感心したまま映画館を後にしたはず。ところが、「りりこ目グサッ」「写真集復刊」の後も延々と続いて、りりこ生きてるやん!(驚愕)
う~ん、そこまで描くのであれば、香港のりりこは目を覆うばかりの醜い姿になっており、「外見の美しさが滅んでも、どっこい生きている、生きられる」だった方が力強い作品になったような気がする。無残な姿になりながらも生きているりりこの強さ儚さを表現できていたら、天然美女がなんぼのものやねんという、なかなかの作品になったのでは(?)。(それだけの作品に仕上がったとしても大森南明は浮いていると思うけど。桃井かおりはすごい!拍手。もちろん、エリカ様には大拍手。これからもたくさん映画に出てね。)

りりこ(沢尻エリカ)/麻田誠(大森南朋)/羽田美知子(寺島しのぶ)/吉川こずえ(水原希子)/錦ちゃん(新井浩文)/ママ(桃井かおり)

監督:蜷川実花
(2012/07/19 TOHOシネマズ高知9)