愛と誠

まあ、こんなものかなという面白さ。その程度の面白さでは、いけないような気がするのは、三池監督に期待してたってことか。
母には、汚いしケンカばかりで綺麗なところが一つもないと言ってワーストを冠せられた。そのことをマイミクのつぶ。さんに話すと、真っ当なオトナの反応だとのこと。私は、あの汚さが綺麗に見えたのだが(^_^;。

早乙女愛と西城秀樹の『愛と誠』を観た覚えはあるけれど、中身はまったく覚えてない。確か松竹映画だったと思うが、その頃、「しょうちく」とは知らず、道行くおじさんに「まつたけは、どこですか?」と尋ねたら、「まつたけは、山にある。」と教えてくれた。真っ当なオトナの反応である。

大賀誠(妻夫木聡)・・・顎とかほっぺが丸みを帯びているので可愛いーー。
早乙女愛(武井咲)・・・笑えるこの間合い。うまいねぇ。
岩清水弘(斎藤工)
早乙女父(市村正親)
早乙女母(一青窈)
大賀母(余貴美子)・・・歌も演技という、よいお手本。
高原由紀(大野いと)・・・もっと上手に歌えないものか。
ガムコ(安藤サクラ)・・・役得。恋に堕ちたときの表情が色っぽかった。
座王権太(伊原剛志)・・・受けた(^o^)。

監督:三池崇史
(2012/06/17 TOHOシネマズ高知9)

幸せへのキセキ

タイトルは原題の直訳「動物園を買いました」でイイではないか。『幸せへのキセキ』とは陳腐だ。面白かったけど。

妻(母)を亡くした一家が、動物園を買うという冒険によって再生していく単純な物語なのだが、マット・デイモンがグリズリーと対面したり、うじゃうじゃヘビが逃げ出したり、ライオンの檻の鍵が閉まらなかったり、魅力的な俳優陣と軽快(?)な演出で面白かったんだと思う。

ディラン(コリン・フォード)のふてくされた態度がグー。ケリー・フォスター(スカーレット・ヨハンソン)、リリー(エル・ファニング)、ロージー(マギー・エリザベス・ジョーンズ)の三人を誰かが大中小と言っていたが、みんなべっぴんさん。
半年前に妻を亡くした弟ベンジャミン・ミー(マット・デイモン)に対して、兄(トーマス・ヘイデン・チャーチ)は次なる彼女を見つけよとすすめる。う~ん、半年は早すぎだ。弟を心配してのことだろうけど驚いた。ところが、ベンジャミンとケリーがキスをするに及んで、これが生きているってことなのねと感心した。

WE BOUGHT A ZOO
監督:キャメロン・クロウ
(2012/06/14 TOHOシネマズ高知3)

ガール

面白かった!笑ったし、ちょっぴり泣けた。「あるある」という程度にリアルで、「そうこなくちゃ」というくらいにファンタジー。実に気持ちよく、見終わって元気になった。

アパレル業界で働いている滝川由紀子(香里奈)が、長年の友だちから恋人に転じた森本蒼太(向井理)に圧力鍋を贈られたときは私もガッカリだった。それが、いつもの食堂をムーディに電飾し、手作りヨットを贈られた日には、すみません、齢50のワタクシもうっとり~(笑)。断然、鍋よりキラキラ☆ヨットだ!と思って気がついた。ああ、男性諸君も大変だなぁと。(鍋がいいときもあるし~。)

いくつも年が離れた後輩(林遣都)に恋しちゃった小坂容子(吉瀬美智子)も面白かったし(コメディリリーフやね)、働く女性に仕事を奪われる危機意識があるのか反発激しい今井(要潤)と対決する武田聖子(麻生久美子)が、夫ヒロ君(上地雄輔)の優しさに涙する気持ちもよくわかる。女性上司といえば、天海祐希のように男性にも引けを取らない体格の人が思い浮かぶが、現実には小柄な女性上司も存在するわけで、麻生久美子の可憐さがうまく活かされた配役だと思った。聖子のパートは、出産か仕事かという葛藤もあったし、彼女の男性上司の頭の低さとか、女性の部下と抱き合って涙ぐむところとか厚みがあった。

最も感動したのは、離婚して大奮闘のシングルマザー平井孝子(板谷由夏)と息子のキャッチボールのシーン。父親のいる子と同じようにしてやりたいという思いから、父親役までこなそうと頑張る孝子。息子がキャッチボールできるように必至だ。いつしか遊びの範囲を超えて特訓になっていき、ついに息子は音を上げ「ボールが見えない」と泣きそうになっている。気づくと、あたりは薄暗い。「ごめんね。」と謝って息子を抱きしめる。孝子は友だちから「頑張りすぎだよ」と言われて「頑張りたいのよ、頑張らせてよ」と返していた。息子は母の頑張りをよくわかっており、幼いのにとても気を遣っている。そんな二人を夕闇が包む。母は後ろ姿で、息子はその陰で、二人の表情は見えない。

劣等感いっぱいの百貨店の職員安西博子(加藤ローサ)もよかったし、昔で言うところのオールドミス、かつ、仕事が出来る女性光山晴美(壇れい)もよかった。
この映画を外国の女性が観たらどう思うだろう。ぜひ、観てもらいたいと思った。

監督:深川栄洋
(2012/06/16 TOHOシネマズ高知1)

キラー・エリート

観てから1週間以上経った朝、思い出すのはデ・ニーロがライフル(?)を構えた格好のみ。あれはカッコよかった。ええと、主役は誰だっけ?としばし考え、あああ!ジェイソン・ステイサムだった!けっこう好きなのに忘れてた。しかも、デヴィッド・ボウイのファンだったと聞いてから覚えめでたいクライヴ・オウエンも出てたのに、一番のじいさんが「カッコイイ」とは。ううむ、守備範囲を変更すべきか。10年くらい前は18歳から60歳までと言っていたのだが。
デ・ニーロ、68歳、『ディア・ハンター』から34年。走るとハアハア息が切れるが、ライフル持たせて右に出るものなし。

KILLER ELITE
監督:ゲイリー・マッケンドリー
(2012/06/16 TOHOシネマズ高知1)