恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム

5月にあたご劇場で観たときは、意外なことにシャールクが目に入ってなかった。というと、あんまりか(笑)。もちろん「好き~」と思って見ていたが、伝説のシックスパックにさえ気がついてなかったくらい他のところに気をとられていた。その、他のところというのは、ディーピカー・パードゥコーンだ。本当に綺麗で可愛くて踊りがうまくて、何より輝きがキラキラキラキラ半端じゃなかった。第一にディーピカーの映画と言えると思う。もちろん、ディーピカーだけでなくシャールクとの魅力的な二人でスタア映画となっている。

ミュージカル・シーンも素晴らしい。ミュージカル・シーンだけで50分(10曲近く)あると思うけど、どの歌もキャッチー。なんべん聴いてもよい音楽で(衣装やセットも含めて)登場人物の心情をよく現している。踊り付きのは、これまた本当に楽しいし色っぽい。

お話もいい。恋と復讐の物語で、それだけでも充分面白いが、「本気で願い精進すれば、全存在が味方してくれる」という前向きなメッセージと「ハッピーでなけりゃ、エンドじゃない」というエンターテインメントに徹したインドの映画作りの神髄を貫き、そうして映画を作ってきた映画人への敬慕の念があふれているのが堪らない。スタッフが踊りながら登場するエンドクレジットは映画好きなら感動ものだ。

脇役俳優オームとスター俳優オームの二役(シャー・ルク・カーン)
大人気女優シャンティプリヤと南部からやってきたサンディの二役(ディーピカー・パードゥコーン)
ムケーシュ(アルジュン・ラームパール)・・・・この人こそ美形でしょう。
パップー(シュレーヤス・タラプデー)・・・・70年代の衣装がお似合い。

OM SHANTI OM
監督:ファラー・カーン
(2013/05/26 あたご劇場)

DVD

時をおいてDVDで観てみると、恋愛映画だったんだな~と改めて感動した。
シャンティプリヤの同じようなクローズアップが始めの方と最後の場面である。いずれもその前のカットは彼女を恋するオームだ。スタアと熱烈ファンという間柄にすぎなかった二人に30年の時を隔ててどんな気持ちの変化があったことか。

始めの方の場面

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「ドリーム・ガール」のプレミアで、レッドカーペットを歩いていく主演女優のシャンティプリヤにうっとり~。

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可愛いファンに、にっこり。

シャンティプリヤの大人気女優ぶりは、もちろんディーピカーの輝きがあってこそなんだけど、うえのようにシャールクの演技力でも引き立っていると思う。
第1部でシャンティプリヤ(スタア)とオーム(ファン)が死に、第2部でサンディ(ファン)と生まれかわりオーム(スタア)と立場が入れ替わるとディーピカーの演技力がちょっと弱い気がする。うえの場面で流れている曲は、第2部でオームとサンディが出会ったときにも流れる。このときサンディは目を回して気絶するんだけど、憧れのスタアに会えて嬉しすぎて目を回したのでしょうと観客が想像力で補う必要がある・・・かな。また、サンディはオームのためなら何でもする度が低いので、「シャンティプリヤを演じる」という動機が若干弱い・・・かな。

最後の場面

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サンディではなく本物のシャンティプリヤだと気づき、手を伸ばすオーム。

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いろんな思いがあるのでしょう。でも、さよならするしかないシャンティプリヤ。

切なさに落涙しそうになった。うえの画像でもわかるとおり、オームの背景は赤く、シャンティプリヤのは青い。背後の色でも生きている者と死んだ者がハッキリわかるが、二人の間には落ちてきたシャンデリアがあって、オームからはシャンデリアを隔ててしかシャンティプリヤを見られないという風に編集されている。二人の隔たりをシャンデリアで物理的に現しているのが上手い。

特典
もちろんメイキングあり。NG集のシャールクの可愛さは特筆ものだけど書かないよ~ん(^_^;。ロンドンのプレミア上映に集まったファン(屋外)に隅から隅まで(遠くの方にはジャンプして)手を振ったりなんだり。インタビューでは腹筋のこと聞かれてたー(笑)。

命ある限り

シャー・ルク・カーンが、かっこいい!!!チャーミングぅ!
は~、やっぱり好きだ~!・・・・で終わってもいいくらい私にとってはシャールクの映画だった!

お話は、サマル(シャー・ルク・カーン)とミラ(カトリーナ・カイフ)と神さまの三角関係(?)・・・・、みたいな(笑)。第1部のおわりで、サマルが防護服なしの『ハートロッカー』していたのは、そういうわけだったのか!!!!と感動して、第2部ではカジュアルな3ヶ月恋愛の現代っ子アキラ(アヌシュカ・シャルマ)の軽さに、古典的メロドラマ(第1部)の後にこれかーーーっ!とインド映画の何でもあり感を面白く思ったものの、サマルが記憶障害になったりアキラがこうしてと頼んでミラがそうしたりという「なんでそーなるの!?」度合いが増して、ぐだぐだになってきた感がなきにしもあらず(笑)。しかし、カジュアルな恋愛ではなく古典の方に軍配が上がり、メロドラマ好きとしては一安心(笑)。

それにしてもインド映画はサービス満点だ。開巻間もない山水の景色にインドは広いな大きいなと感心した。そんな広大な景色の中をノーヘルでバイクを転がすサマルが渋い~。ふふふ、これからはシャールクだよ、クルーズ君。(実はノーヘルには理由があるんだよねぇ。イギリスではミラと二人乗りでちゃんとヘルメットを被っていたのが可愛かった~。)時は遡り場面変わって、ギターを抱えて歌うサマルの背景にはロンドンの名所が次々と(わーい)。もちろん踊りも、ミラは肉感的でアキラは軽快と取り揃え。イギリスの緑もきれい。第1部だけもう1回観たいな~。

JAB TAK HAI JAAN
監督:ヤシュ・チョープラ
(2013/09/16 あたご劇場)

DVD

レンタルが始まったのでさっそく(笑)。
このメロドラマは、ただものではないゾ。っていうか、このドラマのテーマは「神様も降参する愛」で、ちゃんとセリフにあった。さて、どの場面で誰が言ったでしょう?

落ち着いて見ると第2部もなかなかよかった。アキラはサマルに失恋するわけだけど、ほろりとくるねぇ!第2部は「アキラ、失恋の巻」として観るべきだった。

ところで、記憶喪失になったサマルが自分のことを「猿みたいな顔」と言う場面があって猿の顔まねをするんだけど、シャールクは真似をしなくても猿顔に見えることがある(ごめん、シャールク(^_^;)。というのは、私はシャールクの中にみのもんたを発見してしまうことが時々あるのだ(涙×涙)。シャールクはミリオネアの司会をやってたことがあるそうなので、みのさんと深い(?)縁があるのだなぁ(やめてー。←ムンクさん)。

この映画にしても『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』にしてもインド映画はスケール感があって、スクリーンがふさわしいなぁ。

マッキー

恋敵に殺されてハエに生まれかわる話が、こんなに面白いとは(笑)。
予想以上によく考えて作られていた(^Q^)。どうやって終いをつけるのだろう(ハエの寿命は1週間くらいだろうに)と思っていたら、飛んで火に入る夏の虫も真っ青の自己犠牲。恋人のために身を投げ出すのか!?・・・・と危うく涙をこぼしかけた(笑)。←にじむくらいは出た。

ジャニ(ナーニ)が殺される前、ビンドゥ(サマンサ・プラブー)を家まで送っていく至福の歌のシーンで、笹の葉が舞い、竹のトンネルを抜けていくのを見て、やはりインドもアジアだと感じた。2時間5分とインド映画にしては短いし、歌はあるけど歌って踊ってのミュージカル・シーンはほとんどなかったので、外国映画の影響でインド映画が変わってきたというのは本当だと思った。それでも、アジアを感じるし、インド映画以外の何ものでもないと思う。皆、顔が濃いのよ~(笑)。コテコテなのよ~。

一番受けたシーン。悪役のスディープ(スディープ)がハエに悩まされ眠れず、ついには毛布をグルグルと身体に巻き付けてミイラのようになったところ(^Q^)。

EEGA
監督:S・S・ラージャマウリ
(2014/01/04 あたご劇場)

武士の献立

能登のゆべし食べた~い!帰宅して、まず「ゆべし」を検索した。なにせ初耳の食べ物だったので。色々種類があるそうだが、和菓子タイプより珍味・保存食タイプに関心あり。・・・・というのは置いといて(笑)、刀ではなく包丁で加賀藩に仕え明治維新まで代々存続できた武家の話というより、意外にも夫婦の話だった。お家騒動と饗応の宴を背景に、安信(高良健吾)と春(上戸彩)が本物の夫婦になっていくといった感じだ。武士の矜持を捨てきれない安信の若さや、料理上手の出戻り娘春のしっかり者加減がメインなのだが、お貞の方(夏川結衣)と大槻(緒形直人)のエピソードや、大槻側について決起する今井(柄本佑)とその妻佐代(成海璃子)の運命や、安信の両親(西田敏行と余貴美子)のキャラクターも面白く楽しかった。料理はあまり美味しそうには見えなかったが、饗応の宴の膳の数々、大皿の品々には迫力があった。でも、印象に残るのはゆべしである。上戸彩がもう少し芝居が出来れば感動もできたろうに、そこは残念なところだった。

監督:朝原雄三
(2013/12/22 TOHOシネマズ高知1)