限りなく透明に近い哀しみ。すごくよかった。鉄工所を出て汽車で移動し、農場に着いたあたりから哀しくなって、最後まで哀しかった。どうしてなのかは考えない。
「鳩の翼」の男女反転ヴァージョンかと思って観ていたら、農場主(サム・シェパード)、そうきたか~(ビックリ)。ドライバーを手にしていたばっかりに、ビル(リチャード・ギア)、そうなったか~。農場主の亡きがらを抱く農場長(ロバート・ウイルク)の深いしわを忘れない。
話が通俗的で表現が詩的。あとに残るのは、どこからきてどこへ行くのかわからない流れ者の哀しみだ。それは、残されたアビー(アダム・ブルックス)やリンダ(リンダ・マンズ)だけの話ではないのだろう。
スタンダートだったのか~(意外)と思っていたら、ヤマちゃんがビスタをスタンダードで上映していると指摘していた。何の違和感もなく観ていた自分にショックを受けた(がしょーん)。
[追記]
上映会主催者さまが配給元(コミュニティシネマ・センター)に問い合わせたところ、70年代は撮影はスタンダードで、上映は画面を大きく見せるために上下をマスキングしてビスタでということが普通に行われていたそうです。本作は、予告編やDVDではビスタですが、今回は、撮影したまんまのスタンダードで配給・上映されたということです。
私としては、「マリック監督、いったいどっちが意図するサイズなの?」って感じです。
DAYS OF HEAVEN
監督:テレンス・マリック
(シネマ・サンライズ 2012/08/28 高知県立美術館ホール)
いや~お茶屋さんのこの感想で、私もう十分・・・ってくらい、私も同じような感慨を持って観てました。
こういう哀しみって、私は「辛いから苦手」な部類でもあるんですが、映像の美しさのせいで観てしまうのかなあ。生きてる者たちの生きてる(しかも若い!)が故の哀しみというか・・・。
画面サイズについては、(DVDで観た記憶のせいか)「こんなに真四角だったっけ?」なんて思いながらも、違和感は一瞬。あっという間に物語と映像の方に行っちゃって、ヤマちゃんに言われるまで忘れてました(私の場合、ヨクアルこと(笑))。
ムーマさんもでしたか(T_T)。この映画を観るとみんな哀しくなるのかなぁ。この哀しみを伝染させましょう!(?)
>映像の美しさのせいで観てしまうのかなあ。
そうだと思いますよ~。映像だけでなくセリフが少なくて、間がポエティック。昇華されているから、見ている方の身体的な負担は少ないんじゃないかなぁ。濁った辛さでない透明な辛さだから耐えられるのではないでしょうか。私は3回くらいぶっ続けでも観れるような気がしましたよ。
それとね、どこからきてどこへ行くのかというところで、アンゲロプロスを思い出したりもしました。で、これはないしょですが、イナゴがアップになるたび「仮面ライダ~」ってつぶやいていました(笑)。
画面サイズについては、ムーマさんという仲間がいることがわかって、がぜん元気が出てきました。映画のパワーは画面サイズだけにあらず!・・・・・(・_・)。シーン。
>「仮面ライダ~」
あはははは(^o^) と笑った後で・・・
>間がポエティック
>昇華されているから
>濁った辛さでない透明な辛さだから
本当にそう。「3回くらいぶっ続けでも観れるような気が・・・」っていうのが、この監督さんの不思議さですね。
誤解はされていないと思うのですが、今回の上映について、本来ビスタサイズであったものを間違ってスタンダードで上映したわけではありません。
リバイバル公開のために字幕を入れて(多分、字幕の位置的にテレビ放映を前提にしていると思うのですが)、ビスタからスタンダードに焼きなおしたものをスタンダードで上映しております。
>ムーマさん
笑ってもらえてよかった(^_^)。
>ガビーさん
上映してくれて、本当にありがとう!
とてもよかったです。哲学っぽいものはあっても、哲学哲学してなくて、表面は通俗的な物語なので難しくなく、私に合っていました。
この種の感動って、めったにないですね。それこそ『シン・レッド・ライン』以来かもしれません。1回目の上映を観てたら、ホールにずーっと入り浸ってたかもです。ロビーには珈琲屋さんもあったし(^_^)。
>ビスタサイズであったものを間違ってスタンダードで上映したわけではありません。
わかります、わかります。サイズ間違いの上映は上下左右の縮尺が違うから、私でも違和感を感じるはず(と思いたい)。
うえの記事で「何の違和感もなく観ていた自分にショックを受けた」と書いたのは、オリジナルがビスタならトリミングしているはずだから、切り取ったのがわからなかったのがショックだったんです。
ただ、絵画でも素晴らしい作品は、どこをどう切り取っても絵として完成していると感じる場合があって、『天国の日々』はそういう素晴らしい作品なのかもしれないとも思っていました。
もっとも、「ビスタからスタンダードに焼きなおしたもの」がどういうものか(トリミングしているものかどうか)もよく知らないのですが。
ゲゲゲ、劇場上映用のソフトに対して
トリミングなどという暴虐を働いているんですか!
いくらなんでもそんなことはあるまいと、
映写時の問題かと思ったのに、ほんとに業界のモラルも
地に落ちちゃってるなぁ(とほほ)。
スタンダード画面に黒味を残さないフルサイズで
ビスタ画面を歪めずに収めることは面積的に不可能だから
トリミング以外に考えにくいですよね。
(フィルム段階であれ、スクリーンサイズ誤りであれ)
(映写レンズ誤りなら、言うように歪みが出ますもんね)
今やテレビのサイズのほうが映画ソフトに合わせて
横長になってきているのに、スクリーン上映でそれやられちゃ
足を運ぶ意欲が減退してきちゃうなぁ(憤慨)。
どっちのせいであれ、いずれにしろ映像が売りの作品でそんな
理不尽なことをされては、作品も気の毒というもの。
少なくとも違和感がなければ、僕にしても
調べたりすることはなかったわけですから、
確実に損なわれている部分があったということですよね。
もっと広がり感があってもいいはずなのに、
なんだか画面が窮屈そうな映り方しているものだから、
これは本来のサイズとは違うんじゃないかって思ったのでした。
ヤマちゃん、憤慨ごもっとも。ネストル・アルメンドロスも草葉の陰でご立腹かもしれません。
ギョーカイ人間は映像の二次使用をメインに考えているんですね。それにしたって今やテレビも横長サイズなのに、どうしてこうなったのか謎です。(著作権は大丈夫なんでしょうか。配給さんはサイズの改変OKなんでしょうか。よくわからない。)
>なんだか画面が窮屈そうな映り方しているものだから、
あ~、そういえば、カジノシーンでちょっと窮屈ってチラッと思ったことを思い出しました。
だけど、さすが、ヤマちゃんですねぇ。私はぜんぜん無問題でしたもん(^_^;。
(注)
カジノシーン=火事のシーン
パンフレットの誤植を真似てみました。
「カジノシーン、あったっけ?」しばらく悩んだ(笑)。
パンフもそんな有様なの?(笑)
全くしょうがねぇなぁ(呆)
ところで、お茶屋さんは、
アビーのキャラクターには何の違和感もありませんでした?
僕は、画面サイズも??でしたが、彼女のキャラも??でした(笑)。
パンフレットには満足してますけどね。カジノシーンを含めて(^_^)。
アビーについては全く違和感はありませんでしたよ。
兵隊さんたちと同じ汽車に乗ったのも、当時女性の自活の道は厳しかったろうし。まあ、甘ちゃんの私は、たまたま同じ汽車に乗ったと思うことにしていますが(笑)。
だいたいはTAOさんと同じかな。
お茶屋さん、お茶屋さん、
これ↓は、あんまりだと思いませんか!
http://nashville.sky-way.jp/index.html
今回の配給をしたところのHPですが、
ここを開くと始まる動画の『ナッシュビル』に続く『天国の日々』を
ご覧あれ!
予告編はビスタですか~。
そんな気がしてたんですよね~。
高知で流した予告編と同じですよね。自信ないけど。(前にも予告編と本編でサイズの違う映画を見たことがあるような気がするので、そのパターンかと思ったりもしていました。)
劇場案内のところを見ると全国各地で上映されているようですが、スタンダードだったんでしょうかねぇ?
パンフレットも画面サイズは書いてないんですよ。
スタンダードで焼き増しするほうが安上がりなんでしょうか?度胸があってお金がない配給さんなのかな?