お見事!
人物の顔の表情や身体全体を使った表現が力強く迫ってくる。刑務所内の様々な場所で工夫されて撮影されている。「戯曲『ジュリアス・シーザー』を演じる囚人」を演じる囚人というふうに見えるのが刺激的。16世紀にイングランドで書かれた紀元前のローマを舞台にした戯曲が、今を生きる囚人たちの体験してきたこととかぶるとは、人間の営みの普遍性を感じる。いろんな意味で人間を感じさせてくれる作品だった。また、『グッドモーニング・バビロン!』でイタリアの兄弟職人がハリウッドで巨大セットや装飾品を作りながら、「俺たちはミケランジェロやダ・ヴィンチの子孫だ」と言っていたのを思い出した。
ブルータス(サルヴァトーレ・ストリアーノ)/シーザー(ジョヴァンニ・アルクーリ)/カシアス(コジーモ・レーガ)/ファビオ(ファビオ・カヴァッリ)
CESARE DEVE MORIRE
CAESAR MUST DIE
監督:パオロ・タヴィアーニ、ヴィットリオ・タヴィアーニ
(とさりゅう・ピクチャーズ 2013/06/27 高知県立美術館ホール)