海街diary

葬式に始まり葬式に終わる、美しい作品だった。
桜並木のトンネルや紅葉の坂道。鎌倉のおしゃれなお店も気のおけない食堂も海辺の景色もいいけれど、古い日本家屋に梅酒の瓶、庭先の四季折々の草花に縁側でのひとときと、人の営みのつづく様も美しい。思い遣るということ、辛い思い出を昇華させるということも、また美しい。

もし、幸(綾瀬はるか)がアメリカに移住したとしたら、女子寮の秩序と風紀が乱れただろうか。佳乃(長澤まさみ)と千佳(夏帆)だけだったら心許ないが、末っ子すず(広瀬すず)がいるから大丈夫。すずも幸と同様に長女的な立場で背負ってきたものがあるから、しっかりしてる。二人の姉をしっかり統率するでしょう。

原作は吉田秋生だそうで、そういえば同じく鎌倉が舞台の「ラヴァーズ・キス」があり、こちらも映画化されており結構面白かった記憶がある。(嵐の櫻井翔が出演していたよ!)長編になると壊れてくる吉田作品も、短編(のつなぎ合わせ)は文学的な趣もあり、映画との相性もいいのかもしれない。

(冒頭の生足から寝顔の活写は、是枝がベルトルッチ化(『魅せられて』)したかと思った(笑)。)

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