冒頭の場面、川に近いところで一団が動物の皮をはぎ、肉をむさぼるのを見て、その食べ散らかしように「なんて野蛮な」とどん引きだった。その野蛮人から「野蛮人」と呼ばれているのが、原住民のインディアンなんだけど、野蛮どころか大自然の恩恵にあずかり又は脅威にさらされながら智恵をみがき、誇り高く生きている。作り手のインディアンに対する敬意を感じて、「インディアン=悪者」から『ソルジャー・ブルー』『サンダーハート』『ラスト・オブ・モヒカン』などを経てここまできたかの感がある。これは現代文明があまりに人間中心に発展しすぎて環境破壊が進み、このままでは人類の存続さえ怪しくなってきた今、自然とともにあったインディアンの生き方に注意が向けられたということではないだろうか。そんなわけで、映像も音も自然の描写にたいへん心を砕いているのだろう。とりわけスケール感があったのがよかった。
もう一つ、「今どきの作品だなぁ」と思ったのは、同じ種で闘う愚が描かれていることだ。グラス(ディカプリオ)は息子の仇フィッツジェラルド(トム・ハーディ)と掴み合いの死闘をくりひろげるのだが、熊との闘いと比べて「それ、本当に必要?」と思わされた。
それにしても、復讐は人事にあらずという智恵を持つインディアンたちも、仲間同士で争っており、侵略する方にとっては思うつぼだ。『セデック・バレ』とかもそうだったけど、支配者は仲間同士を争わせてうまいことやるなぁ。
ディカプリオは悲願のアカデミー賞主演男優賞を受賞できてよかった。私の中では『ギルバート・グレイプ』『グレート・ギャツビー』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に次いで4個目のオスカーだけど(^o^)。
トム・ハーディが出演していたとは全く気がつかず。トム・ハーディの見分け方を教えてくださいm(_’_)m。
(2016/05/03 TOHOシネマズ高知2)
トムハーディ、見るたんび別人のようですよね。角度によってスゲカッコイイ時と、んー?て時と。
ディカプは全部ディカプ。
トム・ハーディは化けますよねぇ。
身長・体重も伸び縮み自由自在(^o^)。
魔法使いみたいです。
>ディカプは全部ディカプ。
そうですねー。
それでちゃんとキャラクターに成りきっているよねー。
今回もちゃんとパパでしたもんね。