『イントゥ・ザ・ワイルド』のおかげで他の映画を観る気がしなくて、『その名にちなんで』などパスしてしまいました。他にもいっぱいパスしたけど悔いはないわ。なーんてね。本日感想をアップしたので、そろそろシネマイレージが貯まる頃だし、がんがん観まくるぞー。
その前に、せっかく観たお芝居の感想をば。
9月16日新橋演舞場で「源平布引滝」三幕を観ました。
一幕は、身重の妻葵御前と源氏の白旗を百姓九郎助とその娘小万に託し、自らは討ち死に覚悟で平家軍を迎え撃つ「義賢最期」。
二幕は、追っ手から逃れるため、大事な白旗を咥え琵琶湖に飛び込んだ小万が、敵方平家の御座船に救い上げられる「竹生島遊覧」。
三幕は、九郎助の家に葵御前がかくまわれているとの噂を聞きつけ、詮議に来た平家方斉藤別当実盛と瀬尾。なんとか言い逃れようとする九郎助は孫が湖で拾った「腕」を葵御前が生んだと言い張り、「そんなバカな」と怒る瀬尾に、「いやいや、腕を生むこともある」とうなずく実盛が実は・・・という「実盛物語」。
上演の機会が多いのは「義賢最期」と「実盛物語」とのことで、なるほど「竹生島遊覧」は「実盛物語」のなかで実盛が語るので、芝居の筋運びとしては必要ないと思いました。
烏帽子姿の海老蔵と小万(門之助)の熱演が観られるのがいいかな。
海老蔵の義賢は、ぶっきらぼうという意外はキャラクターはあまり立ってないものの(折平(権十郎)との腹芸などなど伸びしろはたくさん)、病を得て弱っているところとか感じがよく出ていました。声もずいぶん低くしていました。ちょっと色っぽかったりしました。
そして、なんと言っても平家軍との戦いですね。荒技はお手の物だけど、そんな軽々しいものではなく、本当に最後の戦いのように力を出し切る様に重量感とスケール感がありすごい迫力でした。また、悲壮な表情は胸に迫るものがあり、思わず落涙。圧倒されました。素晴らしい(拍手)。
戸板のうえに仁王立ちというワザも仏壇倒しも、もちろん決まりましたよ~(^_^)。仏壇倒しは海老ちゃん本気でぶっ倒れて怪我しないでねと念じておりましたら、ちゃんと怪我をしない程度にぶっ倒れて、加減というものを学んだなと(笑)。
実盛は、襲名披露の巡業で高知でも観ていましたが、その時と同様、キャラクターが立っています。ユーモアと余裕のある知将といった感じ。舞台外での実盛の言動なども想像できます。大まじめに「腕を生むことがある」「さて天竺では・・・」のくだりは本当に可笑しい。
清々しい幕切れで後味のよいお芝居です。この清々しさは実盛のキャラに負っていると思うので、(海老蔵贔屓の友人の話では小万を切ったときの語りが下手とのことで、こちらも伸びしろはあるようですが)海老蔵の実盛にハズレなしと思います。
それにしても、平家方の人物が源氏方に嫁いだり、その息子は源氏として平家方の祖父を討ち取ったり(実は孫に手柄を立てさせようとワザと討たれる)。昨日の敵は今日の友というか、味方の振りして実は敵だったり、敵味方が入り乱れて凄まじい世界だったのですね。>源平時代
源氏の白旗を守るためとか、主君のためとか、本懐を遂げるためとか、様々な犠牲があって、武士の世界は大変だと思いながら登場人物の心情に泣いたり笑ったりで楽しませていただきました。
【Re:源平布引滝(10/05)ではなくて・・・】 (ムーマさん)
映画の話ですなんですが・・・
>『イントゥ・ザ・ワイルド』のおかげで他の映画を観る気がしなくて・・・(中略)・・・他にもいっぱいパスしたけど悔いはないわ。
そういうことってありますね~(ほんとホント)。
書かれた感想は、(読みたくて仕方ないんですがガマンして)なんとか観てから読みに行きます(本気)。
『イントゥ・ザ・ワイルド』高知でもやるといいなあ。
それにしても、お茶屋さんの歌舞伎の話は、「若いヒトの成長を見守ってる」感じがして、「おーよしよし」とか「ここはもーちょっと」とか思ってるお茶屋さんの顔が浮かんできます(にこにこ)。役者さんは観る人が育てるんだな~って、いつもちょっと感動します。(2008/10/07 09:23:54 AM)
【Re[1]:源平布引滝(10/05)ではなくて・・・(10/05) 】 (お茶屋さん)
ムーマさん、「イントゥ・ザ・ワイルド」は本当に当地でも上映してほしいです。
東宝系の映画館で観たのですが、シネマズ高知で上映されるかどうか・・・・。
あたご劇場にも頑張ってほしいです。
>役者さんは観る人が育てるんだな~って、いつもちょっと感動します。
そ、そうですか。
ちょっと面映ゆい(*^_^*)。
でも、海老ちゃんの場合、團十郎さんや玉三郎さんの言うことさえ聴いてないみたいですから、もう、長くやって本人が気がつくしかないです(笑)。(2008/10/07 07:31:22 PM)