mederuキッチン

お昼時、夜須界隈をうろちょろ。ヤ・シィパークに行けばお店があるだろうと行ってみた。するとmederuキッチンというステキなお店が!テーブルも椅子も木製で、内装も木が基調なので、温もりがあって居心地が良い。しかも大きな窓からは太平洋~!テラス席もある。食事も美味しかった。だから、また行きたい。

農家レストランmederuキッチンホームページ
車いすOK。ヤ・シィパークは道の駅を兼ねているからお手洗いもあります。

[追記]
2013年5月19日をもって閉店されたそうです。
どうしてでしょー?いいお店だったのに残念。

メン・イン・ブラック3

面白かった!バディ・ムービーは、こうでなくっちゃ(しみじみ)。悪役の宇宙人も、のっけから超魅力的だし(笑)。タイムトラベルものだから、同一宇宙人が二人(両腕と片腕)がそろって言い合うのも可笑しい!

J(ウィル・スミス)とK(トミー・リー・ジョーンズ)のコンビネーション、いいね~(笑)。若かりし頃のKを演じたジョシュ・ブローリンが、ちゃんとトミー・リー・ジョーンズのKを彷彿させながら、屈託のなさを見せるのが、なんとも魅力的だったし、面白かった。
それに、ウィル・スミス!私は、なぜ、彼を嫌っていたのだろう???現代に帰ってきたJが、Kに見せる慈しみの表情にほろりと来た・・・!いい役者になったなあ!前からそうでしたっけ?

MEN IN BLACK III
監督:バリー・ソネンフェルド
(2012/06/09 TOHOシネマズ高知8)

道~白磁の人~

植民地時代の朝鮮半島を舞台にした日本映画って初めて観たような気がする。俳優の演技が硬いところがあったけれど、百年前の山々や建物、乗り物、衣服、葬列などなど、目に映るものが珍しく、丁寧に作られている感じがしたし、オーソドックスな作りできっちり感動させれらた。のんびりした感じもよかった。

主人公の浅川巧(吉沢悠)は、日本人らが伐採してはげ山となった朝鮮の山に植林にやってきた技術者で、イ・チョンリム(ペ・スビン)は、その林業研究所に雇われている。支配する側とされる側なのだが、お互いを認め合い信頼関係が築かれていく。チョンリムが「巧さん」と呼ぶのに、巧は「チョンリム」と呼び捨て。このへん、なんだか釈然としないけれど。
巧は、白磁の人(二束三文で売り買いされるありふれた日用品だが、素朴な美しさをもっており温もりがある)だから、誰に対しても優しいのだが、チョンリム以外の朝鮮人からは奇異な目で見られる。チョンリムから「朝鮮人があなたに笑顔を見せるのは、あなたが日本人だからだ。あなたが善い人だからというわけではない。」と諭されてしまう。チョンリムは偏見なく人を見る目があった。初めから彼が理解してくれたからこそ、よい関係が築けたと思う。この二人の遣り取りを見ていて、魯迅が言った「人が行き来するところに道ができる」というような言葉を思い出した。なんせ題名が「道」だし。

それにしても、「その土地の土に、その土地の木を植える」、これ、植物がよく育つ基本だと思っていたけれど、当時はそんな認識がなかったみたい。朝鮮の山の土に朝鮮唐松の種をまいて苗を育てることに成功した巧に、研究所の所長が論文を書けなんて言ってるのだ。本当に驚いた。

巧役の吉沢悠は白磁の定義にピッタリでよかったし、巧の母を演じた手塚理美もまたよかった。気位が高い厳しい人で、息子が朝鮮に渡ってきたときでさえ「やって行けるのかねぇ」と冷たい出迎え。朝鮮人の葬列を見て、「わあわあ泣いてみっともない」と見下していた彼女が、息子の葬列からふらふらと離れ、隠れて慟哭する様は痛々しかった。
巧の後妻(黒川智花)は、現代的なキャラクターなのに不思議と当時にマッチして、飛んでる女性として魅力的だった。

監督:高橋伴明
(2012/06/09 TOHOシネマズ高知2)

マイケル・クラーク・カンパニー come,been and gone

マイケル・クラークって聞いたことあると思ったら、『グリーンマイル』のマイケル・クラーク・ダンカンの方だった。ダンサーで振付師のこの人は、今回初めて知った。

「come、been and gone」は、三つのパートからなるダンスで、休憩を挟んで「gone」、「been」、「come」の順に上演された。アフタートークによると過去の作品を改訂したものもあるとのことだった。
チラシにはパンク・バレエと書かれていたので覚悟して行ったが、いたってクラシックで驚いた。衣装や照明は飛んでいるかもしれないが、動きはクラシックの美しさが横溢している。しかも、ゆるやかなテンポで動くので動体視力の弱い私向き。ゆっくりとした踊りは、連続写真をながめているようだ。ダンスでは、ビデオ風に脳裏に活写できる記憶もあれば、瞬間的な美しさを写真風に目に焼き付けた記憶もあるのだけれど、マイケル・クラーク・カンパニーのダンスは、写真と活動大写真の中間とでもいおうか。美しいポーズの連続である。(跳躍は少なくて、寝転がる動きが多い。これを至ってクラシックと言う私は変かも。)

一番よかったのは、「gone」だ。背景のスクリーンには、いきなり「THE END」と映されたり(笑)。こういう音楽は何というのだろう。工場の機械のような音とリズムで、踊りと合っている。二人が絡み合って一体となると別の生き物のようで面白かったり。無機質っぽい音楽も最後の方には、テンポが速くなり音も段々大きくなり、踊りもフィナーレという感じで盛りあがっていって、本当に仕事の疲れも吹っ飛び、気分も高揚した。

「beeb」は、スクリーンに映し出されるものが、公序良俗に反するものらしく(笑)、サブリミナル映像のような素早さで切り替わっていった。ミラーボールに当たった光が舞台に水玉模様を作って、衣装も水玉になった。裸の乳首にスパンコールを付けているのだろう、ときおり乳首光線が飛んできて可笑しかった。

「come」は、いよいよデヴィッド・ボウイの登場だ。と言ってもスクリーンに登場するのは「Heroes」のときだけであとは歌のみ。ところが、これが裏目に出た。「Heroes」のビデオなんて見飽きるほど観ているはずなのに、ボウイが登場すると釘付け。踊りを観なければと思っても、すぐスクリーンに目が行ってしまう。その後、ボウイの姿が消えても、踊りは歌唱パワーに負けっ放し。ボウイの歌ってこんなに力強かったのかとマジで驚いた。もっと激しく熱を持って踊らなければ!機械的な踊りに見えてしまうぅっ。・・・・と音楽最高潮、ダンス冷え冷えの妙な空気に眉間にしわが寄りかけた頃、終了。「え?これで終わり?」という私のはてなマークをよそに拍手の嵐。指笛口笛ピーヒャララ。・・・・わたくし、呆然。

振付はリフトなどほとんどないし、男性がバニーガールのように見えるレオタードを着たり、女性がゴルゴサーティーンのように見えるカツラをかぶったりするとき以外は、性差は関係なさそうだった。また、物語性もあまりないので、肌の色も関係なさそうだった。ただ、どのダンサーもスタイルが抜群によいので、近年体形がよくなったとはいえ日本人ダンサーは採用されるかなぁと思っていたら、アフタートークで英国までオーディションに来るのは大変だろうから、明日の公演前の練習時間に来たら踊りを見せてもらうよというような話だった。
振付家はダンサーに触発されることもあるから、いろんなダンサーを採用するのはよいことだと思うなぁ。
というわけで、また観る機会があるなら、ぜひ、観たい。

ダンサー:ケイト・コイン、ハリー・アレキサンダー、フィオナ・ジョッブ、シモン・ウイリアムズ、オクサナ・パンチェンコ、ベンジャミン・ワルビス

☆gone(SWAMP)
作曲:ブルース・ギルバート、ワイヤー
音楽:Feeling Called Love ワイヤー/Do You Me? I Did ブルース・ギルバート
衣装:ボディーマップ
照明デザイナー:チャールズ・アトラス

come,been and gone
作曲:デヴィッド・ボウイ、ブライアン・イーノ、ルー・リード
衣装:スティービー・スチュワート、マイケル・クラーク
照明デザイナー:チャールズ・アトラス

☆been
音楽:Venus in Furs,White Light/White Heat,Heroin,Ocean ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド

☆come
音楽:Mass Production イギー・ポップ/Sense of Doubt,”Heroes”,After All,Future Legend,Chat of the Ever Circling Skeletal Family,Aladdin Sane,The Jean Genie デヴィッド・ボウイ

(2012/05/17 高知県立美術館ホール)