キネ旬4月上旬号

まだあんまり読んでないんですけど(って、いつもそうなんですけど)、ア カデミー賞授賞式関連の記事を読んで知ったのですが、授賞式は生中継とは 言っても今年は5秒遅れで中継していたそうですね。
先ごろアメフトだかバスケだかのハーフタイム・ショウの生中継で、ジャネ ット・ジャクソンの乳房ぽろり事故が大騒ぎになったことを教訓に、5秒遅 れの中継にしたそうです。
それで思い出したのが、昨年の授賞式のマイケル・ムーア(『ボウリング・ フォー・コロンバイン』の監督)のスピーチです。「ウソの選挙で選ばれた ウソの大統領うんぬん」の発言をしたとき、えらいブーイングでしたが、客 席の方はテレビには映らなかったので、不自然な感じがしたのですが、後で 雑誌かなんかで読んだところによりますと、テレビ局の人がマイクの近くで とっさにブーイングをしたそうな。どこまで本当かはわかりませんが、あり そうなことだと思いました。
結局、テレビにしても新聞にしても、見たまま読んだまま受け取らない方が よいということだと思いました。

市川新之助の写真集

友達から借りた写真集をじっくりと見ることができました。
新之助の目力は相当なものです。怖いくらい目に力があります。この写真集には、普段 の姿と役に入った姿がありますが、私は武蔵や光源氏の扮装をしている姿が好きです。 とてもきれいで、色気があって大変によろしいです。
新之助の芝居は、昨年12月に歌舞伎座で見ることができました。歌舞伎座初体験なら 一幕見席も初体験。ご贔屓(?)が、「成田屋!」と声を掛けるのもおもしろかったで す、というのはどうでもよくて、新之助は「狐狸狐狸噺」で間男する生臭坊主を演じて おりました。
この生臭坊主は、初めはその正体を隠して愁傷な態度なのですが、間男しに入るとガラ ッと態度が変わるのです。これがうまかったなあ。声がとてもよいので、ああいう愁傷 な態度で光の君などの二枚目を演じたらピッタリだと思いました。コメディ演技は、ま だ精進の余地があると思いますが、二枚目は完璧かもなあ。今年、海老蔵を襲名するそうですし、先々が楽しみな俳優ですね 。
成田屋公式ホームページ

円山応挙展

本日、江戸東京博物館で見てきました。 会議が思いがけず早く終わってよかったな〜。諦めていたので本当にラッキ ーです。
孔雀の羽のすべすべ感、牡丹の花の柔らかさ、動物の毛のふさふさ具合など、 触ったときの質感が伝わってきます。絵の中の物と物との空間や湿気や冷気 などの空気感のある絵や、活動大写真のような動きのある絵もあります。
しかーし、何と言っても松と孔雀の襖絵には、圧倒させられました。襖何枚 分でしょう(8枚分?)に渡って斜めに延びる松の枝の迫力。三方を松に囲 まれて佇むと、本当にその根元に孔雀といるかのような気持ちにさせられま す。恐ろしいまでの臨場感です。また、近寄って見てみると、金の地に墨で 描かれた絵だったのにびっくり。松の葉は緑に見え、その幹は茶色がかって 見えるので、てっきり色絵具を使っているものと思っていたのです。墨だけ だったとは!
屏風の龍の躍動感は、映画がない時代の映画だと思いました。その向いにあ った波涛の絵は、掛け軸になっていたけれど、取っ手の跡らしいところがあ ったので、おそらく襖絵だったのでしょう。こんな襖に囲まれて座した日に は、船酔い確実ですよ(笑)。
しらっぺの紙に線だけの絵がありましたが、これは氷原かと思えば、そのと おり。絵の題名を見なくても、いかにも寒そうでした。
梅の襖もよかったなあ。長く伸びた枝が襖に収まりきらず、別の紙に続きを 描いて、それでも収まりきらず、又別の紙に続きを描いています。枝先に鶯 がちょこんと止まっているのまで見ると、「なあんだ、紙を継ぎ足せばいい んだ」と思いました。そういえば、片岡鶴太郎がNHKのテレビ番組「よう こそ先輩」で、絵がはみ出そうなら紙を継ぎ足せばいいと子どもに教えてい たことでした。
展覧会の構成がよくて、写生の部から始まり、お手本、下絵、粉本、画材の コーナーもありました。サインは楷書で「應擧」。「源應擧」というのもあ り、どうして源なのかと思ったけれど、あまりの人ごみに解説などはほとん ど見ず仕舞い。
江戸東京博物館のミュージアムショップには、おもしろそうな物がたくさん あったのですが、時間がないので後ろ髪を引かれる思いで帰途につきました。 常設展にも行けなかったので、改めて訪れたいものです。

能と狂言の会の野村萬斎さま

3月13日(土)に県民文化ホール(オレンジ)で催された国際ソロプチミ スト高知主催の上記の会に行って来ました。 満席でした。
いや〜、萬斎さま、いろっぽい。素で妖気を発していらっしゃいました。話 すこと、ことごとく受けまくり。話術もなかなかのもの。 観世喜正さま、初めてお見受けいたしましたが、この方もお話し上手でいら っしゃいますわね。
狂言は、前進座のお芝居や歌舞伎の一幕で見たことがありましたが、こちら の狂言は、ちゃんと歌われるのですね。狂言ってわかりやすくて、ほんと、 笑えます。
能は、六条御息所が葵上の枕もとへ生霊となって出て来る場面のお芝居でし た。歌がまったく聴き取れないのが残念。英語のヒアリングより難しかった です。なんとか聴き取れるようになりたいものです。
聴き取れなかったので退屈で、やたらと「よぉ〜、よぉ〜」と言っているの が印象に残ったくらいで。 あ、動いてないのに動いているのはおもしろかったです。(←動いていない ように見えるのに、いつのまにか動いているということ。)
そうそう、泥眼の面のときは、本当に貴人で女性のように見えました。さっ き、解説していた観世さまとは別人。 般若の面をつけたときの動きは、また別の動きでした。 能をおもしろがれるようになりたいな〜。
「国際ソロプチミストは、管理職専門に就いている女性の世界的組織で、人 権と女性の地位を高める奉仕活動をしている」とのこと。 ラテン語のソロ(姉妹)とオプチマ(最良の)で作られた言葉、ソロプチミ スト(女性にとって最良のもの)だそうです。 それで、この催しはチャリティーなのだと、入場時に配られたパンフレット で知りました。
1部 トークセッション「能と狂言」
   野村萬斎と観世喜正による解説
2部 狂言「悪太郎」
   シテ(悪太郎) 野村萬斎
   アド(伯父)   野村万之助
   アド(僧)    深田博治
   後見       月崎晴夫
3部 能「葵上 梓之出 空之祈」
   前シテ(六条御息所の生霊) 観世喜正
   後シテ(六条御息所の怨霊) 観世喜正
   ツレ(照日ノ巫女)      坂真太郎
   ワキ(横川小聖)       森 常好
   ワキツレ(臣下)       舘田善博
   アイ(左大臣の家の男)    深田博治
   笛、小鼓、大鼓、太鼓、後見、地謡