大フーガ

『敬愛なるベートーヴェン』で初めて大フーガを耳にして、もう一回ちゃんと聴きたいと思っていたのを思い出し、弦楽四重奏第13番を購入した。アルバン・ベルクとスメタナのカルテットで、いずれも1982年の録音だ。

どちらの盤も第5楽章(カヴァティーナ)の後に大フーガを演奏している。毎晩寝床でイヤホンから聴いているが、カヴァティーナで気持ちよく眠りかけたところを、大フーガでたたき起こされる。まだ「ちゃんと」は聴いてないが、この13番はとても気に入った。特に大フーガが素晴らしい。巨大マグロを解体する職人の包丁さばき、・・・・・みたいな。

解説では晩年の作品は、精神性が深まり幻想的な色合いを濃くしているとのことだ。確かに、私がベートーヴェンに持っていた堅牢で美麗な石城のイメージとは少し違う。頑丈で立派な古城の、窓という窓が開け放たれていて、そこから入った風が構造物に沿って複雑に舞っていく。
ああ、生で聴きたいものだ。

「大フーガ」への1件のフィードバック

  1. Re:大フーガ(06/13) ムーマ さん
    >頑丈で立派な古城の、窓という窓が開け放たれていて、そこから入った風が構造物に沿って複雑に舞っていく。

    『敬愛なるベートーヴェン』観られなくて、「大フーガ」っていう言葉も知らないんですが、お茶屋さんの表現↑が素敵!!で、私も聴いてみたくなりました。

    生で聴ける機会があるといいですね(祈)。 (2010/06/14 11:19:36 AM)
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    フーガ中毒に注意 お茶屋 さん
    ムーマさん
    私の感想で聴いてみたくなられたとは嬉しいです~(*^_^*)。
    大フーガ、癖になりますよ~。
    大フーガは弦楽四重奏第13番の最終楽章だったけど不評で、あらたに作曲した最終楽章に差し替えて出版したそうです。だけど、現代ではベートーヴェンの意向を尊重して最終楽章として演奏されることもあるそうな。
    購入した2枚のCDとも最終楽章として演奏されていて、差し替え後の最終楽章はおまけのように(あるいは第7楽章として)、くっついています。これがなかなか収まりがいいです。

    大フーガの前のカヴァティーナは美し~い天上の音楽で、聴いていると雲の上のうえにいるような気分になるのですが、大フーガは地上の音楽なんですねぇ。弦楽四重奏第13番「天と地」、・・・みたいな(笑)。

    さわりだけでもお聴きになります?
    Beethoven Grosse Fuge Op 133 大フーガ A
    http://www.youtube.com/watch?v=7kWMuJ3mVy0 (2010/06/14 11:19:03 PM)
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    Re:フーガ中毒に注意(06/13) ムーマ さん
    聴いてみました。
    なるほど、これは「迷路のような古城の中を風と共に舞っていく・・・」がぴったりですね。

    なぜかベートーベンは「地上」から離れない音楽家のようなイメージが私にはあるんですが、このフーガも(というかこのフーガでさえ)お茶屋さんの言われるように「地上の音楽」ですね。(なんか不思議。)

    でも聴いているうちに、なんだか物狂おしくなるような、ちょっと乱暴に酩酊させられていくような、「中毒性」も感じました。「生で聴いてみたい」気持ち、よくわかりました。
    どうもありがとう!!(う~~クラクラ)

    (2010/06/15 03:46:08 PM)
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    指揮者が岡本太郎さんみたいでしたね お茶屋 さん
    ムーマさん、聴いてくれてありがとう(^_^)。
    そうそう、「迷路」とか「酩酊」とかピッタリ!
    いっしょに中毒になりましょうよぉ~(笑)。
    モーツァルトは疾風というか上空をさーっと駆け抜けるイメージですが、ベートーヴェンって、地に足がついてますよね~。エリーゼのためにとか繊細な音楽でも何か堂々としていますよね。それに明るいし。明晰というか、曲がったことが大嫌いみたいな明るさがあると思うんです。
    それに比べてシューマンは(笑)。
    あー、『クララ・シューマン 愛の協奏曲』、楽しみすぎます(^o^)。 (2010/06/19 08:32:02 PM)

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