津軽百年食堂

百年という時を経て、変わるものと変わらないものがあるってことなのかな。
故郷は変わらないでいてほしい。大森陽一(藤森慎吾)の実家の食堂は、彼が出て行ったときのままだったようだが、筒井七海(福田沙紀)の実家の写真館は変わり果てていた。
数年の間でも変わるものがあるけれど、百年後も変わらないものって何なのか。
百年前と現在が平行して描かれたことによる美点というのを私はあまり感じなかった(残念)。
ロケーションがよくて、撮影がんばっているなぁと嬉しくなった。脇の登場人物もなかなかヨカッタと思う。
大森賢治(中田敦彦)・・・・(オリラジのあっちゃん、好きやわ~。)
藤川美月(ちすん)・・・・なかなか気持ちの良い女性やわ~。
門田政宗(永岡佑)・・・・いいわ~。そりゃ、モテるわ。
監督:大森一樹
(2011/05/21 あたご劇場)

ヤング・ゼネレーション

はぁ~、デイブ(デニス・クリストファー)の可憐な色気が、たまりませ~ん。やっぱり好き~!
仲間のキャラクターもいいし、ママとパパの愛情がたっぷりと伝わってくるし、随所に笑いどころがあって本当に楽しい。おまけにBREAKING AWAY(ぶっちぎり)の爽快感もあるし、BREAKING AWAYって独り立ちの新たな始まりのような気もしてくる。
とっておきの青春(2)『ヤング・ゼネレーション』で書いたことと変わりはないんだけど、今回はプライドが印象に残った。
マイク(デニス・クエイド)が石切場のプールで大学生ロッド(ハート・ボックナー)と競泳して負けてしまうシーン。マイクはプライドが掛かっているから必死で怪我までする始末。ロッドの方は、そんなマイクを見て引いていた。マイクたちに優越感を感じているロッドにしてみれば、マイクがどうしてそれほど必死になるのか理解できなかったんだろう。
割と冷静に将来を考えているムーチャ(ジャッキー・アール・ヘイリー)にしたって、「チビ」と言われると切れるし。
パパ(ポール・ドゥーリイ)が、かつての職場の石材所を訪れたり(向いてないということもあるのだろうが息子を石工にさせる気はない)、宵の町を息子と歩いて「大学の石材も自分たちが作った」と話すシーンは、プライドって単純なものではないと感じさせられる。
そうそう、猫は「フェリーニ」という名前だった。ギターを弾ける友達と記憶していたシリル(ダニエル・スターン)は、単にギターを持っていただけで、特訓されて弾けるようになったのだった(笑)。根っから争いが嫌いなシリルは、今回好印象。夫と息子の間に挟まったママ(バーバラ・バリー)は絶妙のコントローラーで、おめでたもめでたい。
BREAKING AWAY 監督:ピーター・イエーツ
(2011/05/21 TOHOシネマズ高知2)

倫敦から来た男

これぞ活動大写真!
美しいモノクロームの写真がゆっくり動く。あまりにゆっくり動くので、「うげげ、ソクーロフか!」と初めの数十秒くらい心配したけど、ソクーロフより鮮明で難しくもなく、ひじょーに私向きだった。
ワンカット、ワンカットが美しい~。上下左右にカメラが動くのは当たり前。望遠レンズで前後にも動く。また、被写体もいいのだわ。美男美女ではない俳優が美しい~。夜も昼も。いろんなトーンの光も。海も船も汽車もアパートもホテルのカフェバーも。
音と音楽も独自のものがあったと思う。
The Man from London 監督:タル・ベーラ
(高知県立美術館ホール 2011/05/15 高知県立美術館ホール)