カウボーイ&エイリアン

ジェイク・ロネガン(ダニエル・クレイグ)、はぁ~、色っぽい~(満足)。作り手の皆さん、クレイグ様の魅力をわかっていらっしゃる(拍手)。(『Jの悲劇』で初めてクレイグ様にお会いしたので、てっきりインテリ眼鏡のうらなり中年の色っぽさが魅力かと思っていたのに(笑)。)
カーネル・ウッドロー・ダラーハイド(ハリソン・フォード)のバカ息子パーシー・ダラーハイド(ポール・ダノ)は、若い頃のサム・ロックウェルがやったらピッタリ(^m^)。サム・ロックウェルは、妻を愛するという点でのみ輝くさえない居酒屋店主ドクを演じて味があった。
サマードレスっぽいロングドレスに拳銃ホルダーでウエストを強調のエラ(オリヴィア・ワイルド)は、エラが張っていた(^m^)。
お客さんがいっぱいだったし結構おもしろかったので、今後『スター・ウォーズ&七人の侍』とか『Uボート&バナナボート』とか二匹目のドジョウを狙うプロデューサーが出てくるかもしれない。
COWBOYS & ALIENS 監督:ジョン・ファヴロー
(2011/10/23 TOHOシネマズ高知5)

一命

うへぇ~。みなぎる緊張感、重厚な音楽、閉塞した武家屋敷。凄まじいパワーを持つ作品ゆえに、観終わった後(昼時だというのに)、まったく食欲がなかった。三池監督印のグロ描写はほとんどないが、緊迫感が持続するため、胃液がグルグルになるのである。だけど、おじけず多くの人に観てほしい。深いとか滋味豊かとは言い難いが、丁寧な作りでスッキリした映像がバーンと迫ってくるし、津雲半四郎(市川海老蔵)と斎藤勘解由(役所広司)の睨み合いだけでも入場料の元が取れると思う。(海老蔵はオーバーアクト気味だが、眼力、放射熱、風格はこの人だけのもので、かなりの求心力がある。)
それにしても武士とは誠につまらないものだ。
髷を取られた頭が裸同然であるなら、蟄居するもの無理はないと思っても、それが死に値する辱めとは理解しがたい。髷を取られたということは勝負に負けて一遍死んだということだが、一時、恥をさらしたとしても髪ならまた伸びるし、人の噂も七十五日と言うではないか。武士の世界では一遍死んだのだから生き恥をさらすなということだろうか。こういう人たちだから、狂言切腹を許せないのだろう。一遍切腹すると言ったのだから、「せよ」というわけだ。
そんなわけで、千々岩求女(瑛太)に対して最も厳しかった沢潟彦九郎(青木崇高)が、自分にも厳しく処した(二重基準を用いなかった)点は立派だと思う。私は沢潟が求女の身になってないから厳しいのだと思っていたが、若さゆえの過剰な厳しさだったのかもしれない。川辺右馬助(波岡一喜)も求女に厳しい目を向けていたので、自らの意志で切腹したのではないだろうか。そこまでやらなくてもという風情で求女の切腹について消極的だった松崎隼人正(新井浩文)は、髷くらいで死にたくなかっただろう。彼の切腹の場面がなかったので、命により切腹させられたものと想像する。命じた者も皆、命の絶ちどころを誤っている。
半四郎との遣り取りで斉藤勘解由の気持ちに変化はあっただろうか。戦国時代を生き抜き、求女の竹光の脇差しを見て自らのものを差し出そうとし、介錯も施した人物だ。求女を哀れと思う気持ちにはなれなくても、甲冑磨きを誉められる虚しさは味わえるのではないだろうか。
監督:三池崇史
(2011/10/16 TOHOシネマズ高知6)

猿の惑星:創世記(ジェネシス)

今度のアカデミー賞授賞式で、アンディ・サーキスに主演男優賞が授与されるところを見たい!!!そして、助演男優賞は、アルツハイマーの父親役が見事だったジョン・リスゴーに!
シーザー(アンディ・サーキス)に自我が芽生え、不満のようなものが溜まっていく様子にはドキドキしたし、ウィル(ジェームズ・フランコ)に背を向けるシーンではもらい泣きしそうになった。だけど、一番悲しいと思ったのは、シーザーが初めて発した言葉を聞いたときだ。シーザーの境遇では当然の一言だけど。
いつも遠くからでしか見たことのない金門橋を(CGかもしれないが)、こんなに近くで見せてもらえてワクワクした。アメリカ杉の森もよかった(CGかもしれないが)。
地球で人類の立ち位置が類人猿にとって変わられるのは、旧作シリーズでは核戦争の末の話だったような気がするが、この映画ではウィルスのせいで人類は滅亡の危機を迎えるような感じになっていた。原発の恐怖はともかく核戦争の危機が遠のいた今、新型ウィルスやバイオ科学の副作用がいかにもな驚異ということなんだろうか。
RISE OF THE PLANET OF THE APES 監督:ルパート・ワイアット
(2011/10/15 TOHOシネマズ高知7)

ワイルド・スピード MEGA MAX

カーチェイス・シーンは睡眠時間という奇癖を持つワタクシとしては、ずっと避けてきたシリーズだったけれど、シリーズ中でもなかなかよいとの評判なのでフリーパスで観た。
う~ん、お話は、何かどうでもいいなあ(^_^;。暴力じゃなくてお金で皆を支配するというレイエス(ヨアキム・デ・アルメイダ)が、今風の悪役で面白かったし、仲間や家族が大事という娯楽映画の基本中の基本を踏襲してくれているのは嬉しかった。それから、ヴィン・ディーゼルって、演技は達者じゃないけど存在感で主役を張れるところといい、温厚そうなところといい、松平健に似ていると思った。
カーアクションは、冒頭の列車からダイビングまでは手に汗握り、目を見張った。おしまいの方の金庫付きチェイスは、お腹を抱えた(^Q^)。そんなわけで眠りはしなかったけれど、カット割りが多すぎるのが不満だ。一連の流れを見せてもらえないことには、アクションを堪能した気になれない。
思えば『フラッシュ・ダンス』の頃から同じようなことを言っている気がする。ダンスがすごいと評判だったが、細かいカット割りのおかげで、ちっとも凄いと思えなかった。
私にとってカーチェイスと言えば、ずいぶん前にビデオで観たきりの『フレンチ・コネクション』だ。午前十時の映画祭のおかげでスクリーンでの拝観がかなう予定だが、めちゃめちゃカットを刻んでいたらどうしよう(^_^;、という気がしないでもない(こともない)。
ドミニク・トレット(ヴィン・ディーゼル)
ブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)
ミア・トレット(ジョーダナ・ブリュースター)
ルーク・ホッブス(ドウェイン・ジョンソン)・・・・カッチョイイ。
FAST FIVE 監督:ジャスティン・リン
(2011/10/15 TOHOシネマズ高知8 吹替版)