ラストが圧巻。長いしスローモーションが多いし、何かまどろっこしさを感じていたのだったが、インド側からもパキスタン側からもたくさんの人が集まって来たことに感動。そして、「おじちゃーん!」というお約束の一声に女の子を抱き上げるバジュランギおじさんのストップモーションにやっぱり感動。
スケール、大きいねぇ。肉食べてビックリ、敵チームを応援していてビックリ。ビックリしても家に送ろうとするのが人情ってもんだ。人情に国境はない。わかりやすいねぇ。女装もあったねぇ。拷問も。言いたいことが明確で善なる方へ向かう娯楽映画は気持ちがよい。現実も万事、こう行きたいものだ。
(2019/04/18 メフィストフェレス2階 ゴトゴトシネマ)
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家へ帰ろう
アルゼンチンからポーランドへ、頑固じいさん(ミゲル・アンヘル・ソラ)の深い傷を癒やす旅。
抜け目のない孫に始まり、闇(?)航空券手配師、飛行機の隣席という縁の兄ちゃん、スペインの宿屋の女将、刺青の末娘、ヘブライ語ができるドイツ人女性とエピソードの数々が現実のようであり夢のようであり、寓話的な印象の作品だった。
最も印象深いエピソードは、もちろんドイツ人女性とのものだ。乗換駅のホームでアブラハムじいさんが「聞いた話じゃない。この目で見た。」と言うたびに私は気圧された。あのドイツ人女性、よく耐えたなあ。戦後生まれの彼女が戦前戦中のことに責任を負えるはずもないのに、歴史に学び過ちを繰り返さないという意識だけでは到底できないことを成し遂げた。傷を負った人に対する言動と傾聴(あれ以外できなかったろうとは思うが)はパーフェクトだと思った。ホロコーストを生き延びたアブラハムじいさんが、決して踏むまいと思っていた恨み積年のドイツの地を踏みしめるのを見ながら、被爆者や慰安婦などを思い浮かべていた。
末娘の刺青がわからなかったので、この映画を薦めてくださった方にお聞きすると下記のURLを教えてくださった。
世界の映画祭で観客賞8冠の心温まるポーランドのロードムービー映画『家へ帰ろう』監督インタビュー
(2019/03/21 あたご劇場)
運び屋
「じじいの言うことを聴け」
そういう映画だと思った。じじいがそう言っているのではない。こちらがそう感じるのだ。後悔先に立たずの人生。反省している先輩の失敗談には耳を傾けよう。元気溌剌の人の言うことより、ヨボヨボの人の言うことに耳を傾けたくなるものだ。
また、イーストウッドは幸せ者だとも思った。80歳を超えて監督も俳優もできる。もし、会えたら、近年、実話ベースものの監督作が続いているのはなぜか尋ねてみたい。
(2019/03/09 TOHOシネマズ高知9)
グリーンブック
バディもので旅もので音楽もの。悪かろうはずがにゃい!(^o^)
この映画のハイライトシーン、黒人の集うバーにトニー(ヴィゴ・モーテンセン)とシャーリー教授(マハーシャラ・アリ)が入って行き、シャーリーがクラシックを弾く!皆、感動する!シャーリーとバンドがセッションする!(ToT)この流れ。
音楽は、まずトニーの垣根を取っ払ったのだったが、シャーリーを異邦人のように見ていた黒人たち(畑で農作業している彼らがシャーリーを見つめるシーンが印象的)の垣根もシャーリー自身の垣根も吹っ飛ばしたのだった。
音楽って素晴らしい!
ハイライトシーンまではシャーリー教授の孤独が身に詰まされるようだった。ユーモラスな場面に助けられはしたけれど、トニーがイタリア系仲間に仕事を持ちかけられて、用心棒を辞めるんじゃないかと心配するところや、プライベート中のプライベートな逢瀬をあんな形で知られてしまうところなど、こちらの身が凍るような思いがした。いずれもトニーの応じ方で本当に救われた。(シャーリーが留学先のロシア語だけでなくイタリア語までわかるのは、音楽を勉強したからかな?楽譜の記号はイタリア語っぽいものね。)
シャーリーは彼なりに闘っていた。あくまでも非暴力で、バンド仲間と同等にレストランで食事ができるように。泊まるところやトイレや楽屋など理不尽なあつかいに耐えることもまた闘いだったのだ。勝負所も自分で決めていた。バンド仲間は仲間じゃなかったが、いっしょに闘ったトニーはもう仲間じゃーん。おかげでクリスマスにも間に合ったし(^o^)。キャンセルしてよかったよ。
トニーの妻(リンダ・カーデリーニ)は天晴れ、素敵な人だ。ラブレターの指南役をお見通しだったということは、手紙を読んで何を喜んでいたのか、もう一度そのシーンを見てニヤニヤしたくなった。
(2019/03/09 TOHOシネマズ高知8)