劇団四季JCSジャポネスク・バージョン

ううう、面妖なものを観てしまいました(笑)。
ジーザス・クライスト・スーパースターのジャポネスク・バージョンと言うことで、ロックの楽器に笛、太鼓、鼓に太棹三味線と和の楽器がプラスされ、「ジィ~ザース~(かっぽん、かっぽん)」と来た日には、お腹のそこからふつふつと笑いが込み上げてきましたよ(^o^;)。
歌舞伎のように全員が隈取りメイク。黒子ならぬ白子が、大八車のような舞台装置をせっせと組み合わせることにより、壁が出来たり道が出来たり神殿になったり。
思ったよりダンスなどの動きが少なく、これも和のテイストかしら、もっと狭いところ向きかもねと思ったり。
スピーカーを通すと声が割れてしまい、せっかく上手く訳した日本語の歌詞がところどころ聴き取りづらかったです。
それに皆さん美声で声質が似ているというか、歌い方が似ているというか、音域のものすごく広い一人の人が歌っている感じがしないではないというか、舞台のどこでどの人が歌っているのかわからないところがあったりして。これもスピーカーを通すデメリットでしょうか。素人にはよくわからないままの言いたい放題ですが。
しかし、最大の難点は、役付きの方々の演技がイマイチだったことです。
さすがに皆さん歌が上手くて、ユダのこぶしの利いたというか、喉を痛めるんじゃないかとも思える慟哭系の歌に鳥肌が立ったりもしたのですが、どんなに思いを込めて歌っても、皆さんそれぞれがワンマンショーなんです。登場人物同士の思いが絡み合っておりません。
特にイエスの人は頑張ってほしいと思います。最後の晩餐からゲッセマニの葛藤を経て覚悟を決める心の揺らぎが表現できてなくて残念。
こんな調子で歌詞を聴き取れないところがあり、演技がイマイチとなれば、キリスト教になじみのない観客には理解が難しいのでは・・・と心配しておりましたら、帰り際「信者に裏切られたという話か、よくわからなかった」と話している人の声が耳に入りました。え~ん、もっと面白い話なんだよ~(T~T)。
ちなみに私は、やっぱりユダが可哀相でした(ToT)。
開演ギリギリに駆けつけたので、席を探して右往左往してしましました。2階は高校生が多くて、総見かしらと思ったくらいでしたが、ここかなと思って近づくたびに、その高校生の皆さんが、さっと足を縮めて通りやすくしてくれるのです。その反応の良さに驚いていたのですが、終わって話しているのを聞くとハングル。どうやら韓国の高校生でしたー。楽しんでくれたかなぁ?

夏の第九

夏の第九コンサートへ行ってきました。
第九の前にシューベルトの「未完成」交響曲の演奏があって、聴いたことがない曲なので、これも大変楽しみでした。第2楽章が終わって拍手があり、「あ、それで未完成か・・・。」と納得。
綺麗な旋律のところと、あらまあ、突然ビックリの大音響のところがあり、クラシックで寝るのは無理という思いを新にしました(笑)。
第九のオケは、う~ん。ホルンだかなんだかの金管楽器は、音を綺麗に出すのが難しいのかなぁ。ひっかかったような音が気になって(^_^;。
弦楽器は一体感があるので気持ちよく聴いていると、木管(上手)、金管と入るとバラバラした印象に。多分気持ちよく聴いている部分の方が長いでしょうし、いい演奏だとは思いますが、個人的には妙にスッキリしませんでした。(第2楽章はずーっと気持ちよく楽しかったです。)
しかし、合唱付きはいいですね!
この合唱で、もやっとがスッキリ。
ソリストの皆さんは、第4楽章が始まっても舞台に登場せず、いつ現れるのかしらと思っていたら、ソロの直前に、バリトンの山本さんがスポットライトを浴びながら上手の花道から登場。山本幸雄さん(パンフレットの写真と印象がずいぶん違いますが、山本さんですよね?)は、いいお声。背も高くて渋くてカッコいいわ~。
続いて下手の花道から残るお三方が登場。舞台を生かしたよい演出ですね。
テノール合田圭吾さん、アルト北村梢さん、山本さんの三重唱のところが、すごく綺麗でした。
池田理代子さんのソプラノは、ビブラートを利かしすぎだと思いました。
合唱団の皆さんは、よかったですよ~。弱音のところなんか綺麗でした。
ベートーヴェンの交響曲は堅牢な建築物のようです。建物の窓が開き、そこから風が吹いてきたり、小鳥のさえずりが聞こえたり。雷鳴がとどろいて土砂降りになろうとも、建物自体はゆるぎない。そんな交響曲ですね。
年末には、ピアノ協奏曲第4番と第九の演目で、またコンサートがあるみたいなので、是非、行きたいですが、金曜日だから忘年会と重なりそう。私は忘年会よりベートーヴェンなんだけどな~。

ジーザス・クライスト・スーパースター

昨晩、遅い時間に見始めたので眠くならないかしらと思いましが、ぜんぜん。
おもしろかったー!感動しました。
おまけのメイキングは、まだ見てないのですが、パッケージによりますと2000年のブロードウエイのリバイバル上演をベースに映画化したとのことで、まるっきり映画でした。舞台公演を撮影したものと勘違いして買った私は粗忽者。でも、カメラが舞台に乗り込んでいったという感じなので、映画と言えども演出も演技も舞台のものです。
1973年(ノーマン・ジュイソン監督)の作品が大好きなので、どうしてもそれと比較していまいますが、何が違うかって、俳優がみんなマッチョ(笑)。73年版は、みんなガリガリだったけど、こちらは見事にムキムキです。
イエスはテッド・ニーリーよりもグレン・カーターの方が声量、声質ともに豊かで幅があり、高音の伸びに余裕があります。でも、お顔が明るすぎ。
ユダはカール・アンダーソンよりジョローム・プラドンが魅力的。なかなか色っぽい御仁でして。少し鼻にかかった声も色っぽい。
マリアはイヴォンヌ・エリマンはおとなしめでしたが、こちらの名前がまだわかりませんが、結構激しいです。マリアとユダはこちらの火花バッチバチの方が断然面白いです。
ピラトーは、73年版でも『最後の誘惑』(マーティン・スコセッシ監督)でも演じた俳優が、繊細そうに見える体型でいかにも霊感が強そうな感じでしたので、私にはピラトーはそういうものだという刷り込みがあったのです。そんなところへ、こちらのマッチョなピラトーは・・・・、あの体型で「こんな夢を見た~」と涙ながらに歌われても(^_^;。そのギャップのいいのでしょうか???
俳優は皆さん舞台向けの濃い演技でしたが、オペラですから~。ぐいぐい引き込まれました。
それと、一にも二にもユダ=ジェローム・プラドンですね。パッケージの「キリスト最後の7日間。裏切り者ユダの魂の叫びを聞け!」には、うんうんとうなずくばかり。
舞台の演出ではあまり目を引くところがなかったのですが、ユダの首に巻かれていたロープが、いつの間にかイエスの手を縛っているという流れがよかったです。
また、イエスの鞭打ちのところ。鞭を打つ格好で次々と赤い絵の具をなすりつけていくのですが、音がつきますから本当に打たれているみたいで、身体が赤く染まっていくのが「血だわ~」でして、痛々しかったです。『パッション』(メル・ギブソン監督)を思い出してしまいました。
このDVDには大満足ですが、観ながら73年版の演出は素晴らしいと改めて思うシーンがいくつもありました。
特に映画の撮影に砂漠に訪れた浮き浮き気分の若者たちの表情が、撮影後、ロケバスに乗り込むとき、どんなに変わっているかというのが、また面白いんですよね~。
73年版、また観たくなりました。

第九コンサート

本日、イオンホールで催されたコンサート、友達が合唱で参加しているので見に行ったんだけど、よかったー(うるうる)。感動しました~!
前半はオーケストラの演奏5曲、そして、第九の第4楽章という流れで約1時間の予定らしかったですが、実際はブラボーの掛け声と盛大な拍手とアンコールがあって1時間半弱のコンサートとなりました。
指揮は横島勝人、オケは立命館大学交響楽団(51名)、合唱は高知第九合唱団(82名)。ベートーベンの初演のときもこれくらいの編成だったそうです。
いや~、なんですね、大学生って可愛い~~。こんなに可愛いと、高校生、中学生との見分けがつきません(汗)。
こんだけ若いとオーケストラって活きがいいですね。ちょっと息が合わないところがあったり、弱音やゆっくりのテンポのところがこころもとなかったりしましたが、全体的に大変上手だと思いました。ちゃんと綺麗な音がでていました。思いっきり「吹きます、弾きます、叩きます」って感じで気持ちよかったです。選曲も元気のいい曲がピッタリ。
女性が多くてコンサートマスターも女性。打楽器も女性が多かったな~。「雷鳴と電光」の大太鼓とシンバルは女性ですよ~。シンバルを叩き続ける腕力は相当なものでしょう。腕立て伏せ、やってるね。
第九第4楽章は、楽器のパートからパートへ移行していくところを一つの流れとして自然に演奏するのは難しいのかなぁ。と思いながら聴き始めたのでしたが、いつしか引き込まれ、おしまいには感動の涙でした~。
というのも合唱団の皆さん、きれいな声が出ていました。ほとんどの方が暗譜、暗唱です。なんか、意気込みを感じました。強弱も緩急もあって、おしまいには盛り上がる盛り上がる~。ソロの方々もよかったですし。
特に男声パートが力強かったです。テノールで声質がよくとおる方がいらっしゃいますねー。とってもいい声。合唱の場合、もう少し柔らかめに発声すると更によくなりそう。
聴きに行く前は、第九の合唱は聴くより歌う方が断然気持ちイイだろうなぁと思っていましたが、これだけ素晴らしい演奏(合唱)をされると、こちらの方もかなりの高揚感がありまして、本当によかったです。ありがとうございました。
高知音楽フェスティバル2007
県民が歌う歓喜の歌「第九2007」
12月23日15:00からの公演を鑑賞
1 クリスマスフェスティバル(L・アンダーソン)
2 「こうもり」序曲(J・シュトラウス)
3 ポルカ「雷鳴と電光」(J・シュトラウス)
4 ハンガリー舞曲第5番(ブラームス)
5 行進曲「威風堂々」(エルガー)
6 交響曲第9番第4楽章(ベートーベン)
7 アンコール「きよしこの夜」/2コーラス目は観客も合唱。私の隣のおじさんが、すごくきれいな声で上手くてビックリ(感動)。それにしてもクリスチャンは少数派だと思いますが、みんな歌詞、知ってますね~。「きよしこの夜」の他にも賛美歌にはきれいな曲がありますねぇ。
*パンフレットに「歓喜の歌」土佐弁訳があって、笑えた(^Q^)。でも、ちょっと感動した。(原詩:シラー、訳詩:坂本環、監修:第九事務局)おしまいのところだけ。
東から昇ったお日さんが 西へ沈む/あてかて あての道を行かぁね/おまんらぁも そうしい/みんなぁで凱旋パレードや/ほんで みんなぁ手ぇつなぎや/いじめもやめや/みんなオンリーワンやき 兄弟やき/おまん なんか感じんが?/桂浜に浮かぶ月の向こうに/室戸岬に昇る朝日の向こうに/四万十の源から湧き出る天の川の向こうに/おまんも 信じるがかよ?/まっこと 星の上には神さまがおるが!/かならずおるが!/神様は みんなぁを見ちゅうがよ!!