腐った薔薇

薔薇
庭の薔薇~。(画像クリックで拡大できます。)
散りかけの薔薇も美しいと思うようになったのは、ゴッホの薔薇の絵(ひまわりを活けていた花瓶に白薔薇を活けて描いたやつ)のお陰だ。
ゴッホといえば、九州国立博物館で2月13日まで特別展の開催中。行くつもりだったけど、その気が失せてしまったのは、先に東京の展覧会を観た友だちが「30年前のカタログを見たけど、前の展覧会の方がいい絵が来てたみたい」と言っていたから(^_^;。そうは言っても、行けば今回もいいとは思うんだけどねぇ。アルルの寝室の実物大模型部屋が展示されているっていうし。
ただ、およそ30年前に名古屋で観たゴッホ展の思い出だけで、この先充分生きていけるなーとも思って、結局、九州国立博物館はまたの機会に行くことにした。
その30年前の展覧会では、果樹園の美しさに感動した。写真で見ても、そのよさが全くわからなかったのに、実物の輝きにふれて、ゴッホが南仏の明るさに感動したのがよくわかった。それと、この展覧会までは私にとって「炎の人」だったのが、「硝子の人」になった。キラキラ感といい透明感といい、繊細なガラス細工を見ているような感じだった。ティム・ロスが演じたゴッホがイメージに近いかな。もしかしたらロバート・アルトマンもゴッホを「硝子の人」と感じていたのかな。
九州国立博物館 | 特別展 『没後120年 ゴッホ展』
http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s22.html

印象派と西洋絵画の巨匠展

う〜ん、なんだか統一感に欠ける展覧会でありました。
それに展示作品の一覧表さえ配られてないもんな〜。私はめったなことでは図録なんて買わないので、一覧表をよすがに作品を反芻するのよ。今回それが出来ないのでブーイングだわ。
今回は県立美術館が主催じゃないから、年間観覧券の効力もないしさ(ぷんぷん)。
印象に残ったのは、絹のソファーに女の子がもたれている作品。あの布の輝きは素晴らしいですね〜。
それから、クリムトの左向きの少女の絵。少女の表情にもの凄いパワーがあって(なんか一心に考え事をしているので、あらぬ方を凝視しているかのように見える表情)、それをそっくり写し取ったクリムトの筆さばきと逆光を生かした画面構成に衝撃を受けました。
あと、ピカソはどんな絵を描いても力があって、なんだか悔しい。負け知らずの横綱みたいに憎たらしい(笑)。
デ・キリコは、見てみたかったんだけど、見たらイマイチ。マルグリットもあんまり上手じゃないねー(爆)。ひらめき勝負ってとこがよいわね。この二人の絵は思ったよりサイズが小さかったですね。ウォーホルは、思ったより大きいサイズでした。
「犬」と「女性」と「男性とリンゴ」の版画(?)の作者は誰でしょう?気に入ったのですが。
常設展1階では、土陽美術展をやっていて、石川寅治がいいですねー。
昨年の寅治展、見に行けばよかったと思いました。

円山応挙展

本日、江戸東京博物館で見てきました。 会議が思いがけず早く終わってよかったな〜。諦めていたので本当にラッキ ーです。
孔雀の羽のすべすべ感、牡丹の花の柔らかさ、動物の毛のふさふさ具合など、 触ったときの質感が伝わってきます。絵の中の物と物との空間や湿気や冷気 などの空気感のある絵や、活動大写真のような動きのある絵もあります。
しかーし、何と言っても松と孔雀の襖絵には、圧倒させられました。襖何枚 分でしょう(8枚分?)に渡って斜めに延びる松の枝の迫力。三方を松に囲 まれて佇むと、本当にその根元に孔雀といるかのような気持ちにさせられま す。恐ろしいまでの臨場感です。また、近寄って見てみると、金の地に墨で 描かれた絵だったのにびっくり。松の葉は緑に見え、その幹は茶色がかって 見えるので、てっきり色絵具を使っているものと思っていたのです。墨だけ だったとは!
屏風の龍の躍動感は、映画がない時代の映画だと思いました。その向いにあ った波涛の絵は、掛け軸になっていたけれど、取っ手の跡らしいところがあ ったので、おそらく襖絵だったのでしょう。こんな襖に囲まれて座した日に は、船酔い確実ですよ(笑)。
しらっぺの紙に線だけの絵がありましたが、これは氷原かと思えば、そのと おり。絵の題名を見なくても、いかにも寒そうでした。
梅の襖もよかったなあ。長く伸びた枝が襖に収まりきらず、別の紙に続きを 描いて、それでも収まりきらず、又別の紙に続きを描いています。枝先に鶯 がちょこんと止まっているのまで見ると、「なあんだ、紙を継ぎ足せばいい んだ」と思いました。そういえば、片岡鶴太郎がNHKのテレビ番組「よう こそ先輩」で、絵がはみ出そうなら紙を継ぎ足せばいいと子どもに教えてい たことでした。
展覧会の構成がよくて、写生の部から始まり、お手本、下絵、粉本、画材の コーナーもありました。サインは楷書で「應擧」。「源應擧」というのもあ り、どうして源なのかと思ったけれど、あまりの人ごみに解説などはほとん ど見ず仕舞い。
江戸東京博物館のミュージアムショップには、おもしろそうな物がたくさん あったのですが、時間がないので後ろ髪を引かれる思いで帰途につきました。 常設展にも行けなかったので、改めて訪れたいものです。

[目次]美術展など

美術展等で一番のお気に入りなど。
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