『ヒアアフター』について

『ヒアアフター』の感想をネットぴょんぴょんしていて、どぎもを抜かれた。
マリー(臨死体験者)の双子の姉が、ジョージ(霊能者)の妻だったというのだ。
もう一度観るときは、そういう目で観てみようかな。
まあ、読んでみてください。
#136 『ヒア アフター』って、こういうこと?
#139 これでわかった『ヒア アフター』完全攻略……か

となりのページの#137 映画館憑依日記 2011.2.23『リンダ リンダ リンダ』もよかったよ~。

テルマエ・ロマエ

わはははは!これは、面白い!久々に笑える映画が登場してくれた。(でも、クライマックスで寝た(秘密)。)
プロローグでローマが領土を広げていったとナレーションされる場面からして、『ベンハー』かなんかのような(笑)。
古代ローマ人ルシウス(阿部寛)が、お湯空間をワープして現代日本にやってくる。このお湯空間にオペラのアリアがピッタリ嵌る!どんな曲かまったく知らないが、こんなに笑えるとは!

ただ、眠ったのでいっしょに観た母に聞いたら、北方の国境で苦戦していたハドリアヌス(市村正親)の軍勢に、ルシウスたちが温泉を供して兵士の傷ついた心身を癒し、再び戦場に送り出せたことで戦果を収めたとのこと。これが本当なら、原作者の意に反する改変ではないだろうかと、原作者の気持ちが心配になった。
古代ローマと現代日本。文化は異なれども、風呂を愛する気持ちは同じ。心身ともに寛いで、裸で漬かれば戦意も失せる。風呂は万国共通の愛と平和の泉水なり。そういう気持ちは引き継いでほしかった。眠った人間に言われたくはないだろうが(^_^;。

真実(上戸彩)/ケイオニウス(北村一輝)/アントニウス(宍戸開)

監督:武内英樹
(2012/05/06 TOHOシネマズ高知9)

宇宙兄弟

こどもの日に二人の甥と観に行った。
南波六太(小栗旬)が、兄たる者は弟より一歩先んじなければならないというようなことを独白していたので、甥(兄)に「そういうモノかえ?」とたずねると「そうやろ」と即答だった。不肖の伯母は、「なるほど、先に中学校に入ったしねぇ」と返したのみであった。

弟日々人(岡田将生)は宇宙飛行士として時の人。兄六太は無職で就活中。六太は兄弟で宇宙飛行士になるという夢を思い出し(というか日々人に思い出さされ)、一念発起するというお話。弟に対する祝福と引け目や、兄に対する期待と不服はほどほどに、見所は六太の宇宙飛行士テストとなっている。日の目を見ない閉鎖空間で共同生活しながら課題に取り組むという最終テストは、どうしても萩尾望都の「11人いる!」を思い出してしまう。グリーンカードは「そら来た!」という感じだった(笑)。テストを受ける6人は、マンガのような類型的なキャラクターだけど、それぞれの俳優が嵌っており、とても面白かった。

日々人が月面で大ピンチのとき、同僚を背負っていくのが重そうで重そうで、思わず「月ではもうちょい軽いでしょう」とツッコミを入れた。「軽いじゃ~ん」とニコニコ背負われても興ざめだし、演出上、月の重力を無視して描くのは、やむを得ない場面かもしれないが、ここは軽そうに背負っても深刻な状況に変わりないことを表現してほしかった。

甥は二人ともこの映画を楽しんだようで、「最近気がついたこと」が可笑しかったと盛りあがっていた。そんなに可笑しかったら笑えばいいのにと言うと、甥(弟)は「『上映中はお静かに』って言いよったき」とのこと(^_^;。むむむむむ、む~ん。

監督:森義隆
(2012/05/05 TOHOシネマズ高知6)

わが母の記

奉仕があるから愛がある、愛があるから奉仕がある。
う~ん、伊上洪作(役所広司)、作家だけあってうまいこと言う。愛があると何かしらしてあげたくなる、そういうことでしょう。しかし、作家でありながら、その奉仕を感じ取れないとは情けないぞよ。母八重(樹木希林)が持たせてくれた山葵三本。それは正しく奉仕、愛の証。母に捨てられた一念に凝り固まり、判断を誤る。それが人間というものなのでしょう。
そういえば、山葵だけじゃない。子どもの頃に母から授けられたお守りがあるではないか。う~ん、子どもにしてみたら、それだけでは足りなかったのね。やはり、子どもには言葉にしたり、抱きしめたりが有効なのかもしれない。

母子、父子、兄弟姉妹と家族の話はやはりイイ!笑いどころ満載!そして、ハイライトは、洪作と八重の縁側のシーン(涙)。
作家の妻は恐ろしいわ~。夫が母に捨てられたと苦い思いを抱えているのに、真相を明かさずケロリとしている。会計の管理だけでなく、作家が作品を生み出せる心理状態をも管理する。並の人には出来なかろう。
四季折々の風景もよかったし、赤みがかった映像に古き良き時代を感じさせられた。70年代の食堂の活気とトラックの運ちゃんの心意気もすごくよかった。
貸借ゼロにしたい日本人。なるほど。

監督:原田眞人
(2012/05/04 TOHOシネマズ高知2)