雪の積もった山間の一本道を救急車の赤色灯がゆっくり近づいてくる。この上から目線は『シャイニング』のオープニングみたいー。
音が、音がーーーー!むっちゃ怖い。音楽もよかった。
怖げな音とともに現れる原題は「牡丹灯籠」や~。邦題は怖くはないが、ラストシーンが強調されることになり、なかなかよいと思う。
それにしてもオーウェン(コディ・スミット=マクフィー)とアビー(クロエ・グレース・モレッツ)の純粋な恋物語として観れたらどんなによいか。あー、それなのに、アビーよ、これまで何人落としてきたの?とか、子どもならともかく、父親ほどに見える男性(リチャード・ジェンキンス)をどんな手練手管で惹きつけているの?とか、オーウェンは「次」だったんだよね、キープしてたのよね?とか。あーーー!もう!汚れちまった大人はやだねー(涙)。おまけに、「かみさんに血ぃ吸われて、もう、ボロボロですわ。」って、そういうメタファー???って、茶化すのやめなさーい!とものすごく楽しんだけど、汚れた自分をたっぷり感じた。
宗教に凝り固まって我が子を善悪の二元論でしかとらえない母親から旅立つ少年の物語として観ても面白いけど、そうすると母から旅立ち鬼嫁といっしょに・・・・!?いやいや、純粋で美しいお話なんだってば!
う~ん、感想にも葛藤がある。
警官(イライアス・コティーズ)
LET ME IN
監督:マット・リーヴス
(2012/05/02 あたご劇場)