円山応挙展

本日、江戸東京博物館で見てきました。 会議が思いがけず早く終わってよかったな〜。諦めていたので本当にラッキ ーです。
孔雀の羽のすべすべ感、牡丹の花の柔らかさ、動物の毛のふさふさ具合など、 触ったときの質感が伝わってきます。絵の中の物と物との空間や湿気や冷気 などの空気感のある絵や、活動大写真のような動きのある絵もあります。
しかーし、何と言っても松と孔雀の襖絵には、圧倒させられました。襖何枚 分でしょう(8枚分?)に渡って斜めに延びる松の枝の迫力。三方を松に囲 まれて佇むと、本当にその根元に孔雀といるかのような気持ちにさせられま す。恐ろしいまでの臨場感です。また、近寄って見てみると、金の地に墨で 描かれた絵だったのにびっくり。松の葉は緑に見え、その幹は茶色がかって 見えるので、てっきり色絵具を使っているものと思っていたのです。墨だけ だったとは!
屏風の龍の躍動感は、映画がない時代の映画だと思いました。その向いにあ った波涛の絵は、掛け軸になっていたけれど、取っ手の跡らしいところがあ ったので、おそらく襖絵だったのでしょう。こんな襖に囲まれて座した日に は、船酔い確実ですよ(笑)。
しらっぺの紙に線だけの絵がありましたが、これは氷原かと思えば、そのと おり。絵の題名を見なくても、いかにも寒そうでした。
梅の襖もよかったなあ。長く伸びた枝が襖に収まりきらず、別の紙に続きを 描いて、それでも収まりきらず、又別の紙に続きを描いています。枝先に鶯 がちょこんと止まっているのまで見ると、「なあんだ、紙を継ぎ足せばいい んだ」と思いました。そういえば、片岡鶴太郎がNHKのテレビ番組「よう こそ先輩」で、絵がはみ出そうなら紙を継ぎ足せばいいと子どもに教えてい たことでした。
展覧会の構成がよくて、写生の部から始まり、お手本、下絵、粉本、画材の コーナーもありました。サインは楷書で「應擧」。「源應擧」というのもあ り、どうして源なのかと思ったけれど、あまりの人ごみに解説などはほとん ど見ず仕舞い。
江戸東京博物館のミュージアムショップには、おもしろそうな物がたくさん あったのですが、時間がないので後ろ髪を引かれる思いで帰途につきました。 常設展にも行けなかったので、改めて訪れたいものです。

能と狂言の会の野村萬斎さま

3月13日(土)に県民文化ホール(オレンジ)で催された国際ソロプチミ スト高知主催の上記の会に行って来ました。 満席でした。
いや〜、萬斎さま、いろっぽい。素で妖気を発していらっしゃいました。話 すこと、ことごとく受けまくり。話術もなかなかのもの。 観世喜正さま、初めてお見受けいたしましたが、この方もお話し上手でいら っしゃいますわね。
狂言は、前進座のお芝居や歌舞伎の一幕で見たことがありましたが、こちら の狂言は、ちゃんと歌われるのですね。狂言ってわかりやすくて、ほんと、 笑えます。
能は、六条御息所が葵上の枕もとへ生霊となって出て来る場面のお芝居でし た。歌がまったく聴き取れないのが残念。英語のヒアリングより難しかった です。なんとか聴き取れるようになりたいものです。
聴き取れなかったので退屈で、やたらと「よぉ〜、よぉ〜」と言っているの が印象に残ったくらいで。 あ、動いてないのに動いているのはおもしろかったです。(←動いていない ように見えるのに、いつのまにか動いているということ。)
そうそう、泥眼の面のときは、本当に貴人で女性のように見えました。さっ き、解説していた観世さまとは別人。 般若の面をつけたときの動きは、また別の動きでした。 能をおもしろがれるようになりたいな〜。
「国際ソロプチミストは、管理職専門に就いている女性の世界的組織で、人 権と女性の地位を高める奉仕活動をしている」とのこと。 ラテン語のソロ(姉妹)とオプチマ(最良の)で作られた言葉、ソロプチミ スト(女性にとって最良のもの)だそうです。 それで、この催しはチャリティーなのだと、入場時に配られたパンフレット で知りました。
1部 トークセッション「能と狂言」
   野村萬斎と観世喜正による解説
2部 狂言「悪太郎」
   シテ(悪太郎) 野村萬斎
   アド(伯父)   野村万之助
   アド(僧)    深田博治
   後見       月崎晴夫
3部 能「葵上 梓之出 空之祈」
   前シテ(六条御息所の生霊) 観世喜正
   後シテ(六条御息所の怨霊) 観世喜正
   ツレ(照日ノ巫女)      坂真太郎
   ワキ(横川小聖)       森 常好
   ワキツレ(臣下)       舘田善博
   アイ(左大臣の家の男)    深田博治
   笛、小鼓、大鼓、太鼓、後見、地謡

デヴィッド・ボウイ>大阪城ホール

全国のボウイファンの皆さん、こんばんはー!
行って来ましたよ、3月11日(木)の大阪城ホール。
1曲目の「Rebel Rebel」で、もう「キャー!」ですわよ。
2曲目で「come on come on」言われた日にゃ、「行く、行くぅ〜!」ですわよ(笑)。
いや〜、私にも拳を突き上げたり、踊ったり、奇声を発するパワーが残ってたんですね〜。
若い人が多かったですが、私と同年代の人もいたし、50代に見える男性が前で楽しそうに手拍子している様子を見て、とても嬉しかったです。私も50になっても行くぞー!(そのときボウイは、70間近ですけど。)
それにしても、大阪城ホールは音響が悪いですね。前座の清春という人ほどではなかったですが、ご本尊もかなり音が割れていました。
音響のいい小さめのホールで何回もやるより、大きな会場で1回やった方が、商業的には効率がいいかもしれませんが、今まで行った4回のコンサートのうち最悪の音だったので、ちと会場を選んでほしいと思いました。
●登場
ステージの背景にボウイとバンドの面々が音楽を奏でているアニメーションが映し出され、その映像が実写になり、そして、実物が登場しました。「リアリティ」というツアー名にふさわしい登場の仕方だと思いました。リアルなボウイだじょーん!
1曲歌うごとに上着を脱いで行き、3曲目(?)では、Tシャツとジーンズに。以後、お色直しはありませんでした。
●バックスクリーン
背景に生ボウイが映し出されるのは、「サウンド・アンド・ヴィジョン」ツアーのときと同じ。スタンド席なのでオペラグラスを用意していましたが、ほとんど使わずにすみました。
しかし、スクリーンに映し出されたボウイの二の腕は、たっぷんたっぷんでした!こういうのまでしっかり見えてしまうのであります(笑)。
●コミュニケーション
今回ほど観客とコミュニケーションを取ろうとしたボウイは見たことありません。それほどしゃべらなくても・・・・というくらい(笑)。長くはしゃべらないけど、曲の合間ごとに話しかけていたな〜。
また、曲のタイトルを忘れたけど、とある一曲は、バックスクリーンに歌詞が映し出され、どこを歌っているかわかるようになっていて、皆でいっしょに歌いましょうという感じでした。ゆっくり目の曲なので私は歌ったんだけど、どうして皆歌わないんだよぉ。歌った人もいたでしょうけど、会場全体大合唱にはならなくて残念。目論みがはずれてボウイ、かわいそー。
でも、客席に「はははは・・」と笑わせ、明石家さんまかビートたけしのごとく、チャッチャッチャと切り上げさせるのは、受けてたみたいだからよかったね。これは、おそらく日本のテレビで見て、真似したんだと思います(笑)。
50を超えてお茶目度がアップしたのは、開き直りというものだろうか(笑)。
●構成と歌(声)の調子
ボウイのみならず、コンサートでは最初と最後がロケンロールで、真中がバラードということが多いと思います。
今回も大体はそういう構成だと思いますが、真中が長いように感じました。
けしてバラードばかりではないのですが、割合ゆっくりめの曲が多いような。あまり体力を使わない曲が多いような。休み時間が長いような(笑)。
清春の3曲目が印象に残っているのですが、曲の出だしと同じテンションで歌えばもっといいのに、1オクターブ高い声でシャウトすれば盛り上がるのにと思ったことを、「Sound And Vision」を歌うボウイに対しても思うことになろうとは。(「Sound And Vision」は、テンション低めの出だしですが、歌い出すとテンション高いというコントラストがよいのです。)
いや、ボウイはコンサートでは、めったに若い頃のような高音で歌うことはないのです。以前のコンサートで歌った「Sound And Vision」も低い声でした。
しかーし、アルバム「リアリティ」では、バックコーラスも本人が歌っていて、若い頃のような高音、出てるじゃん!そりゃ、コンサートでも聞けるかもって、期待しますよねー。
ついでに言えば、ボウイはごまかすのが上手い!というか、適当に歌うのが上手い!というか、そういうのが今までもあったのですが、今回は多かったです。思わず「ちゃんと歌えよ」とツッコミを入れたのは、そこが大阪だったからでしょうか。
●すっげー!
と思った曲が2曲。
一つは、多分「Reality」だと思うんだけど、ヴォーカルもバンドの演奏も照明も激しかったあの曲です。圧倒されました。
もう一つは、「アメリカの人がいたらごめんなさい」というような(?)前置きをして歌った「I’m Afraid Of Americans」。
このヴォーカルも力強かったし、スクリーンに映し出されたアニメーションがパワーを発揮していました。一組の男女がダンスを踊っているのですが、格闘しているような振付なんです。闘っているんです。しかし、やっぱりダンスであって、見ていておもしろいんです。
かつて「ヤング・アメリカン」を歌い、現在ニューヨークに住んでいる(らしい)ボウイですが、このアニメーションとヴォーカルと曲順に、私は強いメッセージを感じて、ついまたジョン・レノンを思い出しました。(ボウイ自身、ジョンに言われた「言いたいことははっきり言え、そして、韻を踏ませてバックビートに乗せろ」という言葉が常に頭にあるようです。そのとおりにしているかどうかは別として。)
最後の曲目「”Heroes”」は、「I’m Afraid Of Americans」のお口直しでしょう。実際、お口直しが必要なくらいの強烈さを私は感じました。会場、固まってなかったですか?
●乗り
お客さんの乗りは、昔の曲の方がいいように思いました。
若い人が多いのにどうして?と思っていたけれど、考えてみれば、私もリアルタイムで聞き始めたのは「レッツ・ダンス」からなのに、好きな曲はそれ以前のアルバムに集中しているもんね。やはり、老いも若きもみんなが好きな曲は、昔の曲ですか。
それでも私は、ボウイに曲を書き続けてほしいし、これからも変化して行ってほしいです。実態掌握不能の変光星を定点観測しつづけるのが、私の楽しみなのです。どんな老人になるのか。楽しみだなあ!
(しかし、ボウイネット http://www.davidbowie.com/ で会員制の有料コンテンツがあるのは、やはり商才のある彼ならでは?(笑))
01 Rebel Rebel
02 Hang On To Yourself
03 New Killer Star
04 Fame
05 Cactus
06 All The Young Dudes
07 China Girl
08 Reality
09 5:15 The Angels Have Gone
10 The Man Who Sold The World
11 Hallo Spaceboy
12 Sunday
13 Heathen (The Rays)
14 Under Pressure
15 Slip Away
16 Looking For Water
17 Quicksand
18 The Loneliest Guy
19 Be My Wife
20 Sound And Vision
21 Ashes To Ashes
22 I’m Afraid Of Americans
23 ”Heroes”
アンコール
24 Bring Me The Disco King
25 A New Career In A New Town
26 Five Years
27 Suffragette City
28 Ziggy Stardust

[目次]美術展など

美術展等で一番のお気に入りなど。
チネチッタ高知のページへリンクしているものもあります。